2022 Fiscal Year Research-status Report
CKD患者のサルコペニア治療のための栄養口腔プログラムの標準化と評価
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20K10391
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
石田 淳子 金城学院大学, 生活環境学部, 准教授 (50410501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 明彦 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (60324357)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CKD / 栄養 / 口腔機能低下 / サルコペニア / 味覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病(CKD)患者の中でも透析患者は特にサルコペニアやフレイル、低栄養の発症率が高く、これらを合併することは要介護や入院、生命予後のリスクファクターとなるため、早期発見、早期治療を行うことが重要である。申請者らは口腔機能低下を含めたオーラルフレイルがサルコペニアと関係している可能性を報告しているが、臨床現場において口腔状態の改善を通したサルコペニアや低栄養への介入方法は十分に整備されていない。そこで本研究では、CKD患者におけるサルコペニアや口腔状態について現状調査を行うとともに、口腔機能や味覚障害と食事、栄養との関係を検討することにより、サルコペニア治療のための簡便で汎用的な栄養口腔プログラムを検討していく。2020年度は透析患者のサルコペニアの発症状況と口腔機能低下症についての検討から、サルコペニア群は舌圧や咬合力が低下していることを確認し、舌圧の低下した患者に対し口腔訓練を行った結果を報告した。また、透析患者の味覚に関する調査を行い、味覚障害群において舌苔の付着度が高いこと、たんぱく質や亜鉛、ビタミン類の摂取量が低下していることを報告した。2021年度は、亜鉛欠乏症を呈する透析患者に亜鉛補充療法を行った結果、味覚の改善が見られたことを報告した。2022年度は透析患者の栄養状態を評価する方法についてまとめ、口腔機能、亜鉛欠乏と味覚の関係も含めて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は透析患者のサルコペニアおよび口腔状態に関するデータ集約を行った結果を報告した(共同研究発表)。2021年度は味覚障害群に対し、亜鉛補充療法を行った結果を報告した。本テーマの研究期間とコロナ禍の期間が同じ時期であったため、患者の口腔を対象とした測定が難しいことから、その部分に関する遅れが生じているが、2022年度は口腔機能、亜鉛欠乏なども含めた栄養評価法についてのまとめを報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度については、研究の最終年度としてこれまでの研究成果をまとめることを目的として、研究を進めていく。口腔内の測定については、安全に配慮しつつ適切な時期を見て実施していく。
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Causes of Carryover |
当初計画では透析患者の口腔機能の測定を予定していたが、当該年度は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類相当のままであったことから、患者に対して安全な治療を最優先する必要があり、研究で患者の口腔内を扱うことができず、助成金は繰り越すこととなった。外部の研究者が患者へ接触しての測定を断念することとなったが、共同研究施設が治療として測定した血液生化学検査等を元に、研究を遂行することは可能であったことから、2023年度はこれまでに得た研究結果を成果として発信していく。
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