2020 Fiscal Year Research-status Report
医療経済評価で使用する選好に基づく尺度の網羅的開発に関する研究
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20K10394
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
白岩 健 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (20583090)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医療経済評価 / 選好に基づく尺度 / QOL / QALY |
Outline of Annual Research Achievements |
前課題あるいは他事業からのデータを引き継ぎ、費用対効果評価で用いることが可能なPreference-based measure (PBM)について日本における開発作業を実施した。特に小児用尺度であるEQ-5D-Yについては文献化作業が終了し、EQ-5D-YのPopulation norms(国民標準値)について解析作業を進めている。EQ-5D-YはEuroQol groupとの共同研究により、1000名の日本人集団に対して、対面調査でDCE法(Discrete choice experiment: 離散選択法)とTTO法(Time-trade off法)で価値付けを行ったものである。EQ-5D-Yの日本におけるValue setは底が浅く(最も悪い健康状態のスコアが大きい)、成人用のEQ-5D-5Lと同じ健康状態であってもスコアが異なる可能性も高いため、政策応用においては留意が必要である。EQ-5D-YのPopulation normsについては性年齢別のEQ-5D-Yの平均スコアなどの算出作業を行っている。一方で、成人用のEQ-5D-5LについてはすでにValue setが作成されているが(Shiroiwa (2016))、大規模なPopulation normsの調査に基づき、それらの値の解析作業を進め、文献化作業を行っている。その他にも、介護者(informal caregiver)向けの尺度であるASCOT-Carerや癌特異的尺度であるEORTC QLU C-10Dなどについて、データ収集は完了しているため、現在解析作業に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたものに相当するデータの解析作業を実施しており、選好に基づく尺度の開発を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は引き続き前課題あるいは他事業からのデータを用いて、費用対効果評価で用いることが可能なPreference-based measure (PBM)について日本における開発作業を実施する予定である。具体的には、EQ-5D-YのPopulation normsについての解析、成人用のEQ-5D-5Lについての解析などを実施する。また、ASCOT-Carerや癌特異的尺度であるEORTC QLU C-10Dなどについても解析作業を完了する予定である。なお、引き続き新たな尺度の日本語版等の開発を進めていくため、海外の開発元等にも積極的にアクセスをし、Value setの作成も含めた日本語版の許諾を得て、開発作業を進めていくことを目指している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症蔓延のため、海外学会での発表や国内での共同研究者との班会議など実施困難であったため。
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Research Products
(1 results)