2022 Fiscal Year Research-status Report
医療経済評価で使用する選好に基づく尺度の網羅的開発に関する研究
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20K10394
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
白岩 健 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (20583090)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | QOL値 / 効用値 / QALY / 質調整生存年 / AP-7D |
Outline of Annual Research Achievements |
AP-7D (Asia PBM 7 dimensions)はアジア圏9カ国において、225名(1カ国あたり25名)のインタビュー調査に基づき開発された選好に基づく尺度である。EQ-5DをはじめとしてほぼすべてのPBMは西側文化圏に属する国々で開発されている。開発されたAP-7Dは4水準、7項目からなる尺度である。しかし、未だどの国においてもvalue setは開発されていない。そこで、我が国においてvalue setを確立するためのvaluation surveyの実施計画について検討を行った。 いわゆるvalue setは主に時間得失(Time trade-off: TTO)法や離散実験法(Discrete choice experiment: DCE)によって作成されることが多い。ただし、単純なDCE法においては、得られる係数が「死亡=0、完全な健康状態=1」に対応していないため、TTO法で測定された値へのマッピングなど何らかの方法で、係数を変換する必要が出てくる。DCE with duration法はDCEの属性に生存年数を含めたものであり、この場合は単純なDCE法と異なって、生存年数と各属性の係数の比により「死亡=0、完全な健康状態=1」に対応した結果が得られる。しかし、DCE with duration法は生存年数の増減のみが考慮されており、いわゆる「死亡」との取引は実施されない。DCE with durationにもう一つの健康状態としてimmediate deathを加えたternary DCEにおいてはそのような選好の強さの「死亡」との関係性が明らかにできる。なお、TTO法は、実施する場合は対面調査をなる一方で、DCE法においてはWEB調査と親和性が高いことから、調査コストの点からも併せて検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
選好に基づく尺度の開発計画についてはおおむね予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はAP-7Dのvaluation surveyを実施したデータに基づき解析を進め、value setを得ることを目指す。
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Causes of Carryover |
本年度の研究が予定よりも効率的に進められたため。
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