2020 Fiscal Year Research-status Report
地域住民の救急搬送・緊急入院を視点としたサルコペニア調査研究
Project/Area Number |
20K10399
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山村 修 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30436844)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サルコペニア / プレサルコペニア / ダイナペニア / 救急搬送件数 / 緊急入院件数 |
Outline of Annual Research Achievements |
人口減少地域である福井県三方上中郡若狭町の協力を得て、町内の高齢者を対象に2年間、年1回のペースでサルコペニア検診を実施し、同時に対象者の2年間の緊急入院件数と救急搬送件数、入院件数を調査する。サルコペニアの診断はBIA法(Bioelectricalimpedance analysis,生体電気インピーダンス法)を用いた体組成計測と体力測定で行い、Asia working group of sarcopenia(AWGS)基準を用いる。検診は町内各地域の公民館に赴き、研究チームと町職員、地域住民(有志サロン)と共同で実施する。 本年度は2020年6月~2021年3月に町内19個所においてサルコペニア検診を実施した。女性比率は70.9%、年齢は男性76.2±7.8歳、女性77.2±7.2歳であった。サルコペニアの比率は全体で6.0%(18例)、男性3.4%、女性7.0%、四肢骨格筋指数は男性7.51±0.91㎏/㎡、女性6.17±0.59㎏/㎡であった。一方、プレサルコペニアは15.2%(46例)、ダイナペニアは12.3%(37例)であった。救急車利用者は1.7%(5例)、入院件数は12.9%(38件)、緊急入院3.8%(11件)で、サルコペニア群に緊急入院例はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍にも関わらず、町内19箇所の公民館で300名以上の検診を実施することができた。ほぼ全員の四肢骨格筋指数と歩行速度、握力の計測が出来ており、約2/3の問診は担当者1名が行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
サルコペニア群に緊急入院がなく、検討項目を見直す必要がある。対策として、プレサルコペニア、ダイナペニアにも検討を広げる。一方で、若狭町で実施されている運動・栄養指導の参加者が把握できており、指導の有無による検討も進める予定である。 次年度もサルコペニアの有無と緊急入院や救急搬送に関わる因子を比較し、統計学的検討を加えることで、サルコペニアが地域の救急医療に与える影響を検証する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、サルコペニア検診の予定実施会場が少なくなった。また学会等への発表や情報収集活動も実施できなかった。次年度に実施会場を増やす予定である。
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