2022 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院を中心とした地域との多職種連携に関する質的研究
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20K10407
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西村 ユミ 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (00257271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 泰樹 立教大学, 社会学部, 教授 (00338740)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急性期病院 / 地域包括ケア / 協働実践 / 現象学 / エスノメソドロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、新型コロナウイルス感染症対策を行いつつ、調査対象施設である急性期病院と調整をして調査を継続した。 具体的な実施内容としては、調査施設看護管理者である看護部長の交代を受け、再度、研究内容について説明し、調査対象施設の看護の方針をインタビューにて聞き取った。その方針を受けて、地域包括ケアのもとでの急性期病院の協働実践を探究すべく、新たな取り組みである病棟と外来の一元化、部署間の移動等を開始した部署の師長にインタビューを行った。その後、こうした取り組みに関与している病棟看護スタッフ、外来看護スタッフへ調査対象を広げ、急性期病院での協働実践、多職種連携の実際の調査を進めつつある。 さらに、2023年度調査に向けて、フィールドワークの実施可能性について検討した。急性期病院と地域との繋がりとして、病棟と外来との一元化、退院支援カンファレンスなどを推進している調査対象部署に対し、調査の相談と方法の検討を行った。フィールドワークについては、新型コロナウイルス感染症対策を行いつつ実現する方法を検討し、再度、研究代表者の所属組織の倫理審査委員会に申請し、承認を得た。 研究成果としては、2021年度に行ったインタビューデータを分析し、学会発表を行った。2022年度に行った調査データについては、2023年度に開催される日本保健医療社会学会大会等において発表を行う予定である。また、コロナ禍前のデータをもとに、2021年度に論文を投稿し、本年度、1本の掲載、及び採択の決定を受けている。継続的なデータ収集により、急性期病院が、コロナ前後を通して地域といかに繋がり、その繋がりを変化させながら協働実践を行っているのかを把握しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、急性期病院に入り込んで、看護師やその他の医療職の協働実践について、参与観察とインタビューを組み合わせたフィールドワークによって探究する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症によって、急性期病院に入ること自体が難しい期間が長く続いたため、調査の予定が大幅に遅れた。2022年度は病院を訪問することは可能になったが、第7波は、患者数が多いことに加えて、病院のスタッフの感染も多く、病院機能が大きな負担を負うことになった。その間は、調査を急がず、調査対象施設が平常化するのを待ちつつ、調査地域の状況を把握した。 本年度の途中から、病院を訪問して行う対面のインタビューが実施できるようになったため、まずは、新たに着任した看護部長、さらには、病院の看護の方針を実現すべく動き始めた部署の責任者等に、これまでの経緯を聞き取った。このインタビューから得た現状を踏まえて、新たな調査部署を選定し、その部署に所属する研究参加者を募り、急性期病院の協働実践を多角的に探究する方向性を検討した。 急性期病院と地域との繋がりについては、入退院支援カンファレンスや病棟と外来の一元化に向けた取り組みを調査することが必要であることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症対策の影響を受けて、フィールドワークが困難な状況が続いたが、2022年度に調査部署を検討して、2023年度にはフィールドワークを実施できるように調整した。 具体的には、集中的な調査期間を設けて、対象施設近くに宿泊して約2週間の調査を実施する。調査は主に、病棟での入退院支援カンファレンスと病棟と外来の一元化の実現に向けた取り組みとした。 集中的な調査前には、複数回、調査対象部署を訪問し、事前にある程度の状況を把握するために、複数の看護師へのインタビューを実施する。それによって、集中的な調査対象部署の決定と、関係部署の把握、さらには調査対象者の依頼範囲を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響によって、調査対象施設である急性期病院でフィールドワークができない期間があったため、次年度使用額が生じた。フィールドワークができない期間においても、調査対象施設とは継続して連絡、調整を行い、可能な範囲でインタビューを行い、本研究の目的である急性期病院での多職種連携の実際について確認をしてきた。 学会等での発表、および論文の投稿も継続して行ったが、特に学会発表については、オンラインでの実施が続き、交通費の使用が少なかった。
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