2022 Fiscal Year Annual Research Report
医療従事者のプレゼンティーズムの現状とその関連要因を考慮した介入の効果検証
Project/Area Number |
20K10409
|
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
西上 智彦 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (60515691)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壬生 彰 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (00803024)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | プレゼンティズム / 運動 / 疼痛神経科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
労働力の生産性の低下は、医療システムに大きな経済的影響を与える。能力が潜在的に低下した状態で働く「プレゼンティズム」は、欠勤よりもも有害である。プレゼンティズムに陥った労働者は、一般的な運動やストレッチでは軽減されない筋骨格系の痛みを経験することがほとんどである。我々は、個々の医療従事者に合わせた疼痛神経科学教育(PNE)と運動が、プレゼンティズムを減らし、生産性を向上させることができるかどうかを評価することを目的とした。独立した研究者が、104人の医療従事者を2つのグループ(介入とコントロール)に無作為に割り付けた。対照群では、アンケートに回答した後、一般的なフィードバックを受け、介入群では、10年の経験を持つ理学療法士が作成したエクササイズとPNEを6ヶ月間受けた。主要評価項目は、プレゼンティズムを調査するためのWHO-HPQ(World Health Organization Health and Work Performance Questionnaire)日本語版のスコア、副次評価項目は、疼痛強度、広範囲疼痛指数(WPI)、EQ5D-5Lであった。結果は以下の通りである。介入群では、介入後、プレゼンティズム、疼痛強度、WPI、身体的・心理的ストレス、EQ5D-5Lに有意な改善が見られた(P < .05)。対照群では、介入後、身体的・心理的ストレスのみ有意な改善が認められました(P < .05)。介入後のプレゼンティズムでは、有意なグループ間差が認められた(P < .05)。PNEと運動の組み合わせが医療従事者のプレゼンティズムを低下させることが実証された。この結果は、医療施設がより良い従業員管理を実施し、最適な生産性を確保するのに役立つと考える。
|