2022 Fiscal Year Research-status Report
IL-5を起点とした非IgE依存的アレルギー性鼻炎発症機序の解明
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20K10428
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山崎 輝美 (長井輝美) 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (20558134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 暁子 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (00867674)
柳橋 努 富山県薬事総合研究開発センター, その他部局等, 主任研究員 (60710887)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / 唾液細菌叢 / コホート研究 / IL-5 |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー性鼻炎においては、即時型反応に免疫グロブリンE(IgE)が関与しない経路が存在することが報告されているが、未解明である。 2022年度は、2020年度に調査に同意した調査参加者のうち、2021年度に唾液を回収できた314名の小児の唾液細菌叢およびサイトカインの解析を行い、質問票のデータを併せてアレルギー性鼻炎および花粉症の有無およびその症状との関連を明らかにした。その結果、アレルギー性鼻炎と唾液細菌叢においては、その症状により唾液細菌叢のα多様性に違いがみられることが明らかになった。α多様性については、Chao-1指数、Faith指数、shannon指数、Evenness指数指数、菌数指数について解析を行なった。そのうち、Chao-1指数、Faith指数、および菌数指数は、繰り返し鼻症状がありかつ、「中程度」に鼻症状が邪魔であると回答した群では、「少し(邪魔である)」または「まったく(邪魔ではない)」と回答した群に比較して有意に低下することが明らかになった。一方、weighted unifrac距離、 unweighted unifrac距離によるPCoA解析ではいずれの群間でも有意差はみられなかった。花粉症有病者と無病者においては、α多様性およびβ多様性について解析した結果、いずれも両群に違いはみとめられなかった。また今年度は、全検体の唾液において自然型アレルギーと関連すると考えられるIL-5を解析した。その結果、唾液IL-5はアレルギー性鼻炎および花粉症診断の有無とは関連が認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
唾液を採取することができた小児全員分の唾液細菌叢とサイトカインを解析し、唾液細菌叢のα多様性とアレルギー性鼻炎症状との関連を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、唾液細菌叢と唾液サイトカインの関連からアレルギー性鼻炎への影響を明らかにし、論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度の途中で機関を移動し、環境整備に時間がかかってしまったため。次年度は、現在執筆中の論文の投稿にかかる費用として使用する予定である。
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