2021 Fiscal Year Research-status Report
clearification of novel mechanism for refractory asthma and clinical application
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20K10429
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小川 博久 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (50403754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 修 福島大学, 食農学類, 教授 (30416672)
吾妻 雅彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (80325282) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 難治性喘息 / 質量分析法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、昨年に引き続きマウスモデルの作成と解析を行った。 特にすでに報告されている既知の複数抗原吸入モデルとの差異についても追加検討した。また、昨年度の結果に基づいて、凍結肺を用いて質量分析法(液体クロマトグラフィ併用質量分析法(LC-MS/MS)、イメージング質量分析法(IMS))にて脂質・ペプチド系肺沈着物質Xを解析した。 モデルの解析については、本年は、使用しているダニ、スギ花粉、アスペルギルスの複数抗原(DCA)を混合した抗原吸入によりモデルと、すでに報告されている、ダニ、ブタクサ花粉、アスペルギルスの混合抗原(DRA)でのモデルを気道過敏性、気道炎症、気道リモデリングにについて比較した。気道過敏性はDCAモデルDRAモデルよりもが亢進しておりステロイド治療に抵抗した。炎症細胞浸潤ではどちらのモデルもアレルギー性炎症で浸潤する細胞(好酸球、リンパ球)は増加したが、ステロイド治療でDCAは30%低下、DRAは65%低下した。以上からはDCAモデルの方がステロイド抵抗性があることが示された。 脂質については、当初はIMS法で網羅的に解析を行い、既に報告されている低分子化合物について検討を行ったが、複数抗原吸入難治性喘息モデルで、好酸球モデルに比し、多く検出される分子は見つからなかった。未知の物質については、IMSを用いた網羅的解析がうまくいかず、改めてマウスを作成し、LC-MS法によって網羅的解析を行うこととした。マウス作成後凍結肺を保存し、今後機器の準備が整い次第、解析予定である。 タンパク、ペプチド系については、97種類のアミノ酸やアミンを網羅的に行い、代謝マップを作製し、5群のマウスモデルで比較した。結果として酸化ストレスに関連下代謝系、GABAを含むグルタミン酸代謝系、血管新生に関連下代謝系、リン脂質代謝系の系列で、ステロイド抵抗性を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脂質については、当初はIMS法を用いた網羅的解析を行う予定であったが、IMS法は、既知の物質を検出するのには優れているが、未知の物質については、想定より解析に時間がかかってしまうことなどが判明した。IMSを用いた網羅的解析は非効率的であると考え、改めてマウスを作成し、従来のLC-MS法によって網羅的解析を行うこととした。マウス作成後凍結肺を保存し、今後機器の準備が整い次第、解析予定である。その分予定よりも遅れている結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
脂質の解析は遅れているが、タンパク、ペプチド系については、予定通りに研究が進んでおり、今後は増加している分子の生成にかかわる酵素を特定して各群での活性について検討する予定である。
追加のモデル比較実験も気道過敏性と炎症の検討は終了しており、気道リモデリングの評価に着手している。現時点での結果によると、本研究に使用するモデルは妥当であると考えられ、気道リモデリングの評価が終了すれば、遅れている網羅的解析に集中する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は網羅的解析を行ったが、IMS法での解析が中心で、研究分担施設での物品費等が当初予定より減少したこと、また、外注予定のタンパク質の網羅的解析も、分担施設が担当してくれたため、本年度使用額が予定より減少し、次年度使用額が生じた。 次年度は質量分析装置、特にLC-MSを多く使用する予定で、その際に標準品の購入や消耗品の購入などが多額になると考えられる。これらの費用を次年度使用額と、翌年度分として請求した研究費を合わせて使用する計画である。
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Research Products
(1 results)