2021 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム情報から読み解く薬剤耐性感染症におけるキャリアとしての伴侶動物の重要性
Project/Area Number |
20K10432
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
嶋田 照雅 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00264812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安木 真世 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40589008)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 薬剤耐性感染症 / 伴侶動物 / 伝播 / 第三世代セファロスポリン耐性腸内細菌科細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤耐性菌(第三世代セファロスポリン耐性腸内細菌科細菌:3GCREnt)の伝播において伴侶動物の役割と影響を明らかにすることを目的としている。本年度の成果は以下の通りである。 新たにイヌの病巣または糞便由来3GCREntを22株取得した。内訳は大腸菌19株、肺炎桿菌3株であった。大腸菌のゲノムタイピングにより、腸管外病原性大腸菌であるST131型が7株、ST405型が2株含まれることが明らかとなった。更に薬剤耐性試験の結果、産生βラクタマーゼはESBL 15株、AmpC 7株であった。PCRによる耐性遺伝子型別では13株がblaTEM、7株がblaSHV、2株がblaCTX-M-14、6株がblaCTX-M-15、4株がblaCTX-M-27、8株がblaCMY-2を保有していることがわかった。取得された大腸菌のうち14株の全ゲノムを取得するために次世代シーケンスを行った。 院内環境における耐性菌の分布調査では、本年度は調査したいずれの箇所(のべ94箇所)においても3GCREntは検出されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に作成した研究スケジュールに対して、概ねスケジュール通りに研究を遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究スケジュールに則り、引き続き伴侶動物の耐性菌保菌状況調査ならびに全ゲノム配列情報の解析を行う。更に獣医療従事者を対象とした耐性菌保菌状況調査を行う。
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Causes of Carryover |
院内環境の3GCREnt分布調査においては院内清浄化のため対象耐性菌が検出されなかった。それに伴い実施予定だった菌株分離と性状解析のための研究費が残った。更に新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を受け、参加予定であった学会や研究打ち合わせがオンラインに切り替わった。そのために旅費が残った。これらは次年度以降、動物ならびに獣医療従事者での研究における研究費(消耗品費など)ならびに研究成果投稿関連費として使用予定である。
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Research Products
(1 results)