2020 Fiscal Year Research-status Report
インジウムの個人サンプラ-を用いた測定の有効性について
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20K10438
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
宮内 博幸 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (90784025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 昭代 九州大学, 医学研究院, 講師 (10136484)
岩澤 聡子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 衛生学公衆衛生学, 講師 (10570369)
平田 美由紀 九州大学, 医学研究院, 助教 (30156674)
中野 真規子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70384906)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インジウム / 個人サンプラ- / 作業環境測定 / ばく露濃度 / 定点測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】一つのインジウム取り扱い作業場にて、インジウムの個人サンプラ-を用いた作業者のばく露量測定と作業環境基準に基づくAB測定を同時に2日間連続して測定を行い、評価を比較した。【方法】A測定の1測定点のサンプリング時間は60分間、測定開始から測定終了まで時間をずらして90分間で6点を測定した。個人サンプラ-法の1サンプル測定時間は30分間とし、1名について5回の測定を実施した。最もばく露濃度が高いと推測された作業時に作業者位置側面にてB測定を、作業者の呼吸位置にてD測定を実施した。【結果】作業環境測定結果、A測定の幾何平均値(M)は0.32μg/m3、第1評価値は1.03μg/m3、B測定値は0.97μg/m3となった。同時に行ったA氏の個人サンプラ-測定によるC測定の幾何平均値(M)は0.14μg/m3、第1評価値は0.51μg/m3であった。B測定と同作業時に行ったD測定は0.71μg/m3となった。幾何平均値(M)と第1評価値は、C測定値がA測定値の約1/2倍であった。C測定を行った作業者が、インジウム化合物取扱い作業以外の作業も同時に行っていたこのも理由と考えられた。2日目のA測定幾何平均値(M)は0.34μg/m3、第1評価値は1.04μg/m3、B測定値は1.88μg/m3となった。同時に行ったA氏の個人サンプラ-測定の幾何平均値(M)は0.14μg/m3、第1評価値は0.67μg/m3、D測定(Bと同作業時)は5.35μg/m3となった。2日目の幾何平均値(M)と第1評価値は、C測定値の方がA測定値の各々約1/3倍、2/3倍と低値だった。D測定値はB測定値の約3倍であり、B測定では十分に反映されない作業者の口元付近の濃度が、D測定において測定されたと考えられた。【考察】D測定を行うことにより、B測定値のみでは反映されない高濃度のばく露作業を把握するには有用と言えた。また、B測定値では、実際の短時間のばく露濃度を過大評価する可能性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、予定している測定はできている。今後の測定計画も概ね良好に実施可能と思われる。ただし、測定対象事業所の測定受け入れを慎重に確認しながら計画を進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は概ね順調である。今後、さらに多くの作業場において測定を実施していく予定である。ただし、測定対象事業所の受け入れを慎重に確認しながら進めていく必要がある。
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Causes of Carryover |
予定していた測定の一つが延期となった。そのため次年度に測定実施予定となり、次年度使用額が生じた。
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