2021 Fiscal Year Research-status Report
フィリピンにおけるチクングニアウイルス伝播に関わる因子の解析
Project/Area Number |
20K10446
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齊藤 麻理子 (小畑麻理子) 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80404234)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | チクングニアウイルス / 遺伝子型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はフィリピンにおけるチクングニヤウイルスの遺伝子型が2012年以降どのようにシフトしているのかを明らかにする目的で、チクングニヤウイルス陽性の血清検体からウイルス遺伝子を検出し、遺伝子解析を行うことを主な目的としている。本年度はカウンターパートであるフィリピンの熱帯医学研究所(RITM)の倫理委員会からの承認を得て、2012年度以降のチクングニヤ陽性保管血清をもちいたウイルスのシーケンスをすすめる予定であったが、新型コロナウイルスの影響によりそれらを進めることはかなわなかった。 具体的には、RITMはフィリピン国内における感染症流行時の主検査機関としての機能を持てているが、新型コロナウイルス感染症流行下においてRITM全体がCOVID-19のPCR検査を第一優先とした体制となり、人員・実験室共に他の研究に割くことが実質上全くできなくなっていた。本研究のRITM側の担当研究者もフィリピンにおけるCOVID-19対応に従事しておりそちらを優先せざるを得ない状況で、十分なディスカッションを行うことが困難な環境であった。また、日本からの短期渡航も制限があり現地で話し合いの機会を持つことも不可能であった。RITMにおける倫理委員会の審査自体もCOVID-19関連研究の審査が優先されており、それ以外の研究の審査には相当な時間がかかっている。2020年度からこの状況はほとんど変わっていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
RITMはフィリピン国内における感染症流行時の主検査機関としての機能を持っている。コロナウイルス感染症流行においてRITM全体がCOVID-19検査を第一優先とした体制となり、人員・実験室共に他の研究にへ割くことがほぼできなくなった。 本年度はカウンターパートであるフィリピン熱帯医学研究所(RITM)の倫理委員会へ提出したものの、倫理委員会での審査はCOVID-19関連の研究が優先され、それ以外の研究の審査にかかる時間は相当長くかかっている。 本研究のRITM側の担当者もフィリピンにおけるCOVID-19対応に忙殺されている状況で、十分なディスカッションが行いにくい環境であった。 本年は日本からの短期間での渡航もかなわず、本研究を推進することはほぼ不可能であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
RITMの倫理委員会の承認を得ることを第一目標とする。フィリピンへの渡航を行わなくても研究が進められるよう、RITMにあるチクングニアウイルス陽性血清を利用できる体制を遠隔で整える。
|
Causes of Carryover |
2020年度はコロナ流行により、フィリピンへの渡航が全くかなわなかったことが最も大きな要因である。さらにカウンターパートである熱帯医学研究所自体もCOVID-19の検査が優先され、COVID-19以外の研究の倫理審査が進められていなかったこと、実験室やスタッフもCOVID-19検査を優先して動かざるを得なかったこともあり、研究自体がほぼ推進できなかった。この状況は2020年度とほとんど変わらない。 2022年度は倫理委員会での承認を目指す。フィリピンへの渡航は行えない可能性が高いため、遠隔で研究を進める体制を整える。保管血清についてチクングニアウイルスの遺伝子解析をRITMで行う予定であるが、RITMでの研究遂行体制に応じ日本への検体送付の可能性についても検討する。
|