2022 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the polymorphisms of genes coding biotransformation enzymes in fetal growth restriction
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20K10448
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
能仲 太郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10725790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西島 浩二 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80334837)
加嶋 克則 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (50345500)
山口 雅幸 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (20529771)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子宮内胎児発育不全 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、妊娠中の子宮内胎児発育不全の発症群と非発症群において、症例-対照研究のデザインで解毒酵素の遺伝子多型解析を実施し、遺伝子多型とコーヒーなど嗜好品摂取との相互作用を明らかにして、子宮内胎児発育不全の発症リスク解明を目指す。本研究の成果により、子宮内胎児発育不全の高リスク群をあらかじめ抽出し、適切な生活指導を行うことで、子宮内胎児発育不全の発症が予防できる可能性がある。 令和4年度は研究の3年目であり、前年度と同様に症例の集積に重点を置く予定であったが、研究代表者が大学医局の人事によって民間病院に異動となり、実質的に研究継続が非常に困難な状況となった。その結果、令和5年3月31日までに研究への同意が得られた人数は、令和4年3月31日時点と同様に、子宮内胎児発育不全症例25例、正常コントロール症例35例に留まった。 これらの症例においては、妊娠中の嗜好品摂取状況についてのアンケート調査は実施済である。具体的にはタバコ吸引、アルコールまたはコーヒー飲料の摂取状況について、摂取期間・摂取量・摂取物の銘柄などをなるべく具体的かつ詳細に聴取した。また、アンケート調査の実施と共に、対象者より末梢血を10cc程採取し、単核球を分離した後、phenol-chloroform法によりGenomic DNAを抽出した。このGenomic DNAを用いて、嗜好品に含まれる毒性物質の解毒酵素であるCYP1A1、GST-π、GST-μ、GST-θの各酵素の遺伝子多型をPCR-RFLP法により判定した。 今後は、研究環境の整備を希望し、再び研究環境が整えば、引き続き子宮内胎児発育不全と正常コントロール症例の集積を行い、症例数を増加させつつ研究を遂行し、目標症例数に到達した時点でデータ解析を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
子宮内胎児発育不全症例、正常コントロール症例ともに100症例を目標に設定しているが、医局の指示に基づく研究代表者の急な異動により、研究環境が著しく悪化したため、症例の集積が困難となった。 一方、新潟大学医歯学総合病院で管理する子宮内胎児発育不全症例は年間50症例を超えていることから、今後研究環境が整備されれば、残りの1年間での目標症例数への到達は不可能ではないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に引き続き、子宮内胎児発育不全症例と正常コントロール症例の集積を行い、症例数を増加させつつ着実に研究が遂行できる環境を整備する。目標症例数に到達した時点で、データ解析を実施する。具体的には、まず両群間でCYP1A1、GST-π、GST-μ、GST-θの各遺伝子多型頻度を比較する(背景の比較)。次いで、各嗜好品の摂取について摂取量、摂取期間などから両群間でグループ分けを行い、各グループにおいて各遺伝子多型頻度を解析する。以上の解析により、子宮内胎児発育不全症例における解毒酵素遺伝子多型に関連した高リスク因子を抽出し、さらに発症予防のための適切な生活指導などにつき検討し、得られた解析結果および知見を論文にまとめ国際雑誌に発表する。
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Causes of Carryover |
配分された予算については、主として研究遂行に当たり必要である消耗品の購入経費として計上したが、当該年度は前年度に引き続き症例の集積に重点を置いたため、消耗品の消費が当初の計画より少なかったことに加え、研究に使用する機器(電気泳動装置、サーマルサイクラーなど)については、すでに新潟大学大学院医歯学総合研究科(産科婦人科)に設置されている機器を使用したため、次年度使用額が生じる結果となった。 一方、本年度以降は消耗品の購入頻度が増えると予想されることに加え、研究に使用する機器(PCR増幅装置・電気泳動装置)を購入する予定であること、さらに本研究で得られた成果を日本周産期・新生児医学会にて発表予定であり、学会参加のための旅費を経費として計上予定であることから、次年度使用分と本年度請求分の助成金を合わせて本年度以降に使用する予定である。
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