2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the fixation factor and elimination measures of MRSA colonized in clinical site for long term
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20K10459
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
塩田 澄子 就実大学, 薬学部, 教授 (00368698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 陽一 就実大学, 薬学部, 講師 (30610927)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MRSA / 臨床分離株 / バイオフィルム形成 / 薬剤感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、長期にわたり臨床分離されるMRSAの定着に関わる因子の解明と排除のための方策を立てることを目的としている。このために、岡山県北の基幹病院である津山中央病院において、2011年5月から2012年11月(1期)、 2015年1月から2016年3月(2期)、2018年(3期)と3期にわたり、臨床分離されたMRSAを収集した。それぞれの期ごとに臨床分離されたMRSAについてはPOT型を決定し、POT型に基づいて、HA-MRSAとCA-MRSAに分類し、性状解析を行ってきた。2022年度では、新たに2021年度(4期)において臨床分離されたMRSAを研究対象とした。4期においてはCA-MRSAは、臨床分離株の81%を占めていた。 CA-MRSAはHA-MRSAと比較して高いバイオフィルム形成能を持つことがわかっており, 院内定着における主要因子となっていることが考えられる。 また, 各期間において, 複数分離されている同一のPOT型をもつ菌株が存在しており, これら重複POT型の経年変化について比較を行った.1~4期にかけて継続的に分離されている株がある一方, 4期で新たに4タイプのPOT型を示す分離数の多い株が出現しており、新しいMRSAが流入し、定着していることも示された。今回、4期で新たに分離された株と1~4期に継続的に分離されている株とのBF形成能を比較したところ, 継続的に分離されている株の方が高いBF形成能を示す傾向にあり, 院内定着にBFの形成が関与していることが示唆された. AMRアクションプランにより、使用料の削減が求められているクラリスロマイシン(CAM)とレボフロキサシン(LVFX)に対するMRSAの薬剤感受性を1期と3期に分離されたMRSAについて比較した結果、CAM、LVFXの高度耐性化率はそれぞれ、43%~74%、3%~42%と増加していた。
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Research Products
(3 results)