2020 Fiscal Year Research-status Report
ジフテリア様症状を引き起こすコリネバクテリウム・ウルセランスの迅速診断法の開発
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20K10465
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
坂田 淳子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (30455547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝川 千尋 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 客員研究員 (20183725) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Corynebacterium ulcerans / イムノクロマト法 / モノクローナル抗体 / 動物由来感染症 / ジフテリア |
Outline of Annual Research Achievements |
コリネバクテリウム・ウルセランスを簡易に検出できるイムノクロマトキットを開発するために、ST1型のコリネバクテリウム・ウルセランス菌体可溶性抗原を免疫したマウスを用いて,常法により細胞融合実験を実施した。その結果、2672クローンのハイブリドーマが得られた。ハイブリドーマのスクリーニングは,免疫源に使用した可溶性抗原および免疫源に使用した株を含む9株のコリネバクテリウム・ウルセランス菌体(ホルマリン死菌液、ST1~ST5型)と他のコリネバクテリウム属菌4種の菌体(ホルマリン死菌液)を用いたELISAにより実施した。その結果、5クローンが最終選抜・保存まで至ったが、5クローンともコリネバクテリウム・ウルセランス全STタイプに特異的・包括的に反応する抗体を産生するハイブリドーマクローンではなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1回目の抗体作出実験では、コリネバクテリウム・ウルセランス全STタイプに特異的・包括的に反応する抗体を産生するハイブリドーマクローンを得ることができなかった。そのため、抗体作出実験を再度実施する必要があったが、令和2年度半ばに妊娠したため、妊娠障害等により、2回目の抗体作出実験を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は産前産後休暇を取得し、引き続き育児休業を取得するため、研究を実施しない予定である(「産前産後の休暇、育児休業の取得又は海外における研究滞在等に伴う科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長承認F-13-2」の申請済)。そのため、令和3年度、令和4年度に予定していた研究を令和4年度、令和5年度に繰り下げて研究を実施する。 令和2年度に妊娠したため、実施することができなかった2回目の抗体作出実験については研究再開後の令和4年度に実行する。この際、ハイブリドーマのスクリーニング方法については、コリネバクテリウム・ウルセランス全STタイプに特異的・包括的に反応する抗体を得るために、1回目の抗体作出実験に実施した方法に変更を加える予定である。また、2回目の抗体作出実験を行った結果、必要が生じた場合には、3回目の抗体作出実験を実施する予定である。 サンドイッチタイプの検出系であるイムノクロマト法に必要が抗体が揃えば、それを用いて本菌に特異的なイムノクロマト法を構築する。その際、用いる抗体濃度、緩衝液などの最適条件の検討も行い、構築したイムノクロマト法の特異性と検出感度を、さまざまなMLST型のコリネバクテリウム・ウルセランスを用いて検証する。さらに本イムノクロマト法を用いて、臨床検体(懸濁液)から本菌を検出する方法を構築し、その有用性を評価する。
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Causes of Carryover |
(理由)妊娠により、令和2年度に予定していた実験が実施できなかったため。 (使用計画)令和2年度に予定した計画を令和4年度に実施する。
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