2023 Fiscal Year Research-status Report
ジフテリア様症状を引き起こすコリネバクテリウム・ウルセランスの迅速診断法の開発
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20K10465
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
坂田 淳子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (30455547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝川 千尋 大阪公立大学, 生命環境科学研究科, 客員研究員 (20183725) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Corynebacterium ulcerans / モノクローナル抗体 / イムノクロマト法 / 動物由来感染症 / ジフテリア |
Outline of Annual Research Achievements |
コリネバクテリウム・ウルセランスを簡易に検出できるイムノクロマトキットを開発するために、ST1型のコリネバクテリウム・ウルセランス菌体可溶性抗原を免疫したマウスを用いて、細胞融合実験を実施した。マウスの免疫方法はこれまで行っていた方法に変更を加えた(抗原量、免疫間隔)。その結果、これまでで一番高い抗体価を示すマウスを得ることができた。細胞融合実験は、「Easy sep Release Mouse CD138 Positive Selection Kit(STEMCELL社製)」を用いて収集したCD138陽性細胞とミエローマ細胞を融合したが、今回の実験では軟寒天上に発育するハイブリドーマを得ることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和4年度の半ばに研究所の移転があり、令和4年12月~令和5年7月半ばまで動物舎が稼働せず、動物実験(マウスへの免疫実験)を行うことができなかった。また、今回の検討では、「標的抗体を産生するハイブリドーマ」を効率的かつ幅広く拾うことを目的に、キットを用いてCD138陽性細胞を収集してから細胞融合する方法を試みたが、ハイブリドーマを得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の検討では、「コリネバクテリウム・ウルセランス全STタイプに特異的・包括的に反応する抗体を産生するハイブリドーマ」を効率的かつ幅広く拾うことを目的に、キットを用いてCD138陽性細胞を収集してから細胞融合する方法を試みたが、ハイブリドーマを得ることができなかった。今回用いたキットはPEGを用いた細胞融合法よりも電気融合法のほうが相性が良い等の情報が得られたので、ミエローマとマウス脾臓細胞の融合方法については、これまでの抗体作出実験に実施した方法に変更を加えて検討を続ける予定である。 サンドイッチタイプの検出系であるイムノクロマト法に必要が抗体が揃えば、それを用いて本菌に特異的なイムノクロマト法を構築する。その際、用いる抗体濃度、緩衝液などの最適条件の検討も行い、構築したイムノクロマト法の特異性と検出感度を、さまざまなMLST型のコリネバクテリウム・ウルセランスを用いて検証する。さらに本イムノクロマト法を用いて、臨床検体(懸濁液)から本菌を検出する方法を構築し、その有用性を評価する。
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Causes of Carryover |
(理由)研究所の移転により、令和5年度に予定していた実験が実施できなかったため。 (使用計画)令和5年度に予定した計画を令和6年度に実施する。
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