2020 Fiscal Year Research-status Report
妊婦へのカドミウム曝露が出生児体重へ及ぼす影響―神通川流域カドミウム汚染地調査―
Project/Area Number |
20K10469
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
能川 和浩 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (00612194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 秀昭 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (00097437)
石崎 昌夫 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10184516)
城戸 照彦 金沢大学, 保健学系, 客員教授 (20167373)
渡邉 由芙香 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (80802868)
諏訪園 靖 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90302546)
櫻井 勝 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90397216)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カドミウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は世界の中でカドミウム(Cd)による人体影響が最も激しかった富山県神通川流域のCd汚染地区において、妊婦へのCd曝露が出生時体重に影響するかを明らかにすることである。Cd曝露が胎児に有害であり、奇形を発生させることは、多くの動物実験が一致して明らかにしている。しかし、人では証明されていない。Cdは胎盤に蓄積し、胎盤はCdの移動を完全には阻止せず、臍帯血中Cd濃度はCd曝露量が多いほど高値であることが報告されている。これらのことは、人でも胎児に影響する可能性を示している。本研究において、Cd曝露の指標として、Cd総摂取量を使用する。Cd総摂取量は米中Cd濃度と詳細な居住歴から、計算式により各人について計算されるものである。我々はCd総摂取量を用いた量-反応関係の研究を、腎障害、イタイイタイ病発生率、生命予後等について多くの研究を実施しており、その有用性を確認している 今年度は、まず研究のスタートアップとしてとして調査についての説明書の作成と「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、研究参加への同意を得るための参加同意書を作成した。それと同時に、千葉大学大学院医学研究院倫理委員会に研究内容の倫理審査を依頼し承認を得た。また研究に用いる問診票を作成した。問診票の内容としては、母親の身長、居住歴、飲酒・喫煙などの生活習慣、米の摂取状況、神通川水の飲水と炊事利用、出生児の性別、体重、出生年月日、妊娠期間、から構成される。 次に、イタイイタイ病対策協議会と連携し、対象地域の公民館等で住民説明会を実施した。町内会ごとに参加同意書を配布し、同意が得られた方に、問診票を送付し、郵送により回収を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究の倫理審査承認から住民説明会の実施、質問票の回収まで達成しており、概ね研究計画通りに進行していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず送られた資料についてデータベースを作成する。これまでに作成された中間的なデータベースについて、IBM SPSSソフトウェアを用いてlogistic回帰、混合線形モデル等により解析する。得られた結果については、中間的な評価をして、その妥当性や、正確性について研究グループで吟味し検討していく。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、調査地での調査に係る交通費等の費用が発生しなかったため。感染拡大の状況により、2021年度に調査旅費として支出される見込みである。
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