2020 Fiscal Year Research-status Report
Epidemiological study on strategy to prevent atopic march from children to adults
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20K10470
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
楠 隆 龍谷大学, 農学部, 教授 (00303818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 あかね 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (40173132)
武内 治郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60791324)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食事調査 / 食物アレルギー / アレルギー / 学童 / 生活習慣 / 疫学的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学童大規模疫学調査を通じて学童期の食習慣・生活習慣の中でアレルギー症状と関連する要因を見出し、成人へ向けてのアレルギーマーチの進展を予防する方法の確立へとつなげることである。2019年9月に近江八幡市の全小・中学生を対象として、アレルギー症状の有無とともに、食習慣・生活習慣の詳細を質問式調査票により調査を行った。また小学校5年生約600名については吸入性抗原特異的IgEを、また約300名については野菜・果物摂取量の指標となる皮膚カロテノイド量を測定した。2020年度はこれらのデータを入力してデータベースを作成し、検討を行った。現在までの解析で明らかになったことを列記する。 1)小学生における食物アレルギーの実態について; 卵、乳、小麦など主要なアレルギーに関しては医師の指示の下で除去している場合が多いが、自己判断で除去している割合が多い品目もあった。自己判断で除去している品目は現症例が多く幼少時とは違い自己判断ができること、果物アレルギーなど比較的症状が軽いものが多いため医療機関を受診しない場合が多いこと、などがその理由として考えられる。 2)小学校5年生の運動習慣とアレルギー症状の関連について; 小学5年生の6割以上が何らかの運動をしており、種目別では水泳、サッカー、野球の人気が高かった。運動すること自体にアレルギー症状との関連性は見られなかったが、種目別では野球と喘息、水泳と鼻炎に有意の正の関連が見られた。 3)小学5年生における皮膚カロテノイド量と血清脂質、体格との関連; 野菜摂取の多い食生活では肥満になりにくいことが示唆された。さらに女子では低HDL群が少なくなり、血清脂質にも好影響を与えていることが示唆された。一方男子では、野菜摂取が多い食生活だと低体重群の割合が多くなり、一部の児童ではカロリー摂取が低くなることと関連していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としていたデータベースの構築が終了し、現在様々な角度からの解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
学童のアレルギー疾患の中でも特に増加している食物アレルギーに注目して、発症予防につながる因子の検討、また解除を予測する背景因子の検討を行う。 食事調査の結果から主成分分析を行い、学童の食事内容をパターン化した上でアレルギー症状やその他の背景因子との関連を解析していく。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で学会出張の機会が減り、旅費等の支出が減少した。 今年度は解析した成果を論文発表していくため、論文投稿料、英文添削料などに使用する予定。
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