2021 Fiscal Year Research-status Report
Pharmacoepidemiological study to investigate the characteristics and treatments in patients with rheumatic diseases using a large health insurance database
Project/Area Number |
20K10480
|
Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
酒井 良子 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (30631981)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 全身性エリテマトーデス / 関節リウマチ / 合併症 / 診療実態 |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性エリテマトーデス(SLE)の診療実態と合併症(脳心血管疾患[CVD]、骨壊死[ON])および院内死亡について解析をDPC病院のレセプトデータ/DPCデータを用いて実施した。全てのCVDの発現率(/1,000人年)は5.3、CVDの統計学的に有意なリスク因子(ハザード比HR[95%信頼区間、95%CI])は年齢10歳増加毎1.3 [1.2-1.5]、高血圧2.1 [1.6-2.7]、心房細動1.7 [1.0-2.7]、慢性腎臓病1.6 [1.2-2.2]、抗リン脂質抗体症候群1.9 [1.3-2.9]、ステロイドパルス5.8 [3.0-11.4]、経口ステロイド1.6 [1.2-2.1]、免疫抑制剤0.7 [0.6-1.0]だった。 2010から2017年のON罹患率(/1,000人年)はそれぞれ、13.2, 10.6, 11.0, 13.3, 13.1, 9.8, 8.5, 7.3。2010年に対する2011から2017年の相対危険度 [95%CI]はそれぞれ、0.5 [0.2-1.4], 0.3 [0.1-0.9], 0.6 [0.3-1.4], 0.7 [0.3-1.6], 0.4 [0.2-0.8], 0.4 [0.2-0.8], 0.3 [0.1-0.7]と2015年以降有意に減少した。 院内死亡のリスク因子を検討した結果、院内死亡を確認した症例は4.3%、有意なリスク因子(HR[95%CI])は、年齢(10歳増加毎) 1.7 [1.6-1.8] 、男性1.5 [1.2-1.7]、高血圧1.2 [1.0-1.4]、慢性腎不全 1.5 [1.3-1.8]、うつ病1.5 [1.0-2.2]、呼吸器疾患1.3 [1.1-1.6]、悪性腫瘍2.6 [1.9-3.5]、観察開始年0.5 [0.4-0.5]、特定集中治療室管理料加算あり2.6 [2.1-3.2]だった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた、全身性エリテマトーデスに関する一通りの研究を実施したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
関節リウマチ(RA)患者においてヤヌスキナーゼ阻害薬(JAKIs)使用下の血管イベントおよび悪性腫瘍のリスクを検討する。用いるデータはDPC病院のレセプトデータ/DPCデータである。RA患者および観察期間を同定するために傷病名およびJAKIs、生物学的製剤、メトトレキサート(MTX)の処方データを用いて16歳以上のRA患者を同定する。観察開始月は上記のRAの定義を満たした最古月とし、観察終了はデータベースでの最終確認月まで、あるいはいずれかの薬剤の曝露最終月、2021年7月までのいずれか最も早い月までとする。血管イベントは、深部静脈血栓症、肺塞栓症、動脈血栓症、急性心筋梗塞、脳梗塞とし、入院中にこれらの傷病名が確定病名として付与されかつ治療薬の処方または各イベントに対する診療行為なされた場合に血管イベントありと定義する。悪性腫瘍についても悪性腫瘍の確定病名が付与されかつ化学療法または放射線療法または悪性腫瘍に関する加算が付与された場合に悪性腫瘍ありと定義する。血管イベントおよび悪性腫瘍の発生率(/1,000人年)、JAKIsの発生率比(vs.生物学的製剤、vs.MTX)、性、年齢、併存症で調整したJAKIsのハザード比を時間依存性Cox分析により算出する。 同データベースを用いて、高安動脈炎(TAK)患者における治療内容、血管イベントの発生率を明らかにする。TAK症例は確定病名と経口副腎皮質ステロイド(CS)の処方を有し、難病外来指導管理料、難病患者等入院診療加算または小児科療養指導料加算を有した症例とする。観察期間はTAK定義を満たした最古月からデータベースでの最終確認月、2020年9月までのいずれか最も早い月までとし、CS、免疫抑制薬の処方割合、TAK治療に関連した外科手術の施行割合を記述的に検討し、血管イベントは確定病名と診療行為を用いて定義し、発生率を算出する。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍のため国際学会および国内学会がweb開催となり旅費が発生しなかったため。今年度、論文作成後の英文校正費用や論文掲載費用に使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)