2023 Fiscal Year Research-status Report
Dietary fatty acid intake and the prevalence of age-related macular degeneration in a Japanese population
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20K10490
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
佐々木 真理子 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (60276342)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 脂肪酸摂取 / 疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
( 研究背景と目的) 加齢黄斑変性は重度の視力障害を来たす疾患であり、近年罹患数の増加が問題となっている。さらに、治療に高額な医療費を要すため、医療経済的にも問題である。欧米では、抗酸化ビタミン、ミネラル、オメガ3不飽和脂肪酸摂取と加齢黄斑変性の発症の関連が報告され、予防医療に生かされているが、わが国での報告はない。加齢黄斑変性の病態はアジア人と欧米人で大きく異なることが明らかとなっており、わが国固有の調査が必要である。本研究では、脂質異常症や循環器疾患に対してすでに有効性が知られる多価不飽和脂肪酸の加齢黄斑変性への影響を、大規模疫学コホート研究による眼科検診データを用いて明らかにする。本研究により、将来的には、加齢黄斑変性発症予防としての食事指導だけでなく、予防治療薬の開発への応用が期待できる。 ( 研究計画と方法)一般住民検診・眼科検診のデータを用い、 眼底写真をWisconsin Age Related Maculopathy Grading Systemと光干渉断層計を併用して判定した加齢黄斑変性の重症度と食品摂取頻度調査票より抽出した脂肪酸摂取量との関連を明らかにする。 (令和5年度の計画と実績) 前年度までに作成したデータベースを用い、加齢黄斑変性の重症度と食品摂取頻度調査票より抽出した脂肪酸摂取量との関連を解析した。その結果、男性において飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の摂取量が多くなるにつれ、加齢黄斑変性の有病率が低下していることが明らかとなった。食生活は人種や居住地域によって異なるが、本研究対象者では、特に男性の飽和脂肪酸摂取量が欧米人と比べて非常に低値であり、加齢黄斑変性の予防の観点からは、日本人では適度な脂質の摂取が必要であることが示唆される興味深い結果が得られた。本研究結果は学会発表、論文化により、国内外に発信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り解析を行い、結果を論文化し発信することができた。本研究の成果は加齢黄斑変性の栄養摂取による予防に関して、日本人と欧米人では異なることを示唆し、さらなる日本人固有の生活習慣と疾患の関連解析を要することを示す。現在、本研究で得られた加齢黄斑変性のデータにより明らかとなった加齢黄斑変性の早期病態について、国際共同研究を推進している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り解析を行い、結果を論文化し発信することができた。現在、本研究で得られた加齢黄斑変性のデータにより明らかとなった加齢黄斑変性の早期病態について、国際共同研究を推進している。
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Causes of Carryover |
現在、本研究で得られた加齢黄斑変性のデータにより明らかとなった加齢黄斑変性の早期病態について、国際共同研究を推進している。国際共同研究のため、会議が海外で行われることも多く、学会参加費・旅費の一部として用いたい。
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