2021 Fiscal Year Research-status Report
The impact of genetic factors with the association between environmental factors and hypertension
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20K10494
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平田 匠 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (00383795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寳澤 篤 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (00432302)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高血圧 / 疫学研究 / 家族歴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が実施している東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホート調査のベースラインデータを用いて、高血圧の家族歴が環境因子と高血圧との関連に与える影響、ならびに高血圧に対するpolygenic risk scoreが環境因子と高血圧との関連に与える影響を検討している。令和3年度は、令和2年度に引き続き、高血圧の家族歴が環境因子と高血圧との関連に与える影響についての検討を行った。 本研究の解析対象者は、同調査のベースライン調査を実施した全対象者63,016名のうち、本解析に必要な変数が欠測となっている者3,965名を除外した59,051名(男性22,303名、女性36,748名、平均年齢60.8歳)であった。全解析対象者のうち、高血圧の家族歴を有する者は20,984名(35.5%:男性6,916名、女性14,068名)であり、高血圧を有する者は24,243名(41.1%、男性11,024名、女性13,219名)であった。性・年齢・BMI・飲酒歴・尿中Na/K比を共変量とした多変量解析の結果、高血圧の家族歴は高血圧の有病と有意な正の関連を認めた(OR2.05、95%CI1.97-2.13)。また男女別の解析においても、年齢・BMI・飲酒歴・尿中Na/K比を共変量とした多変量解析の結果、男女ともに高血圧の有病と有意な正の関連を認めた(男性:OR1.96、95%CI1.84-2.09、女性:OR2.12、95%CI2.02-2.23)。以上の結果から、血圧管理を行う上で高血圧の家族歴を聴取することは必須であり、高血圧の家族歴を有する者では環境因子の管理をより厳格に行う必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題では、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が実施している東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホート調査のベースラインデータを用いており、原則として東北大学東北メディカル・メガバンク機構へ出張してデータ解析を行う必要があるが、令和2年度と同様、新型コロナウイルス感染症の流行持続に伴い、定期的なデータ解析のための出張が困難であった。また、Polygenic risk scoreの作成については、東北大学東北メディカル・メガバンク機構内のGWASセンターとの連携が必要になるが、同部門の業務が多忙であり、同リスクスコアの作成には至っていない。以上より、現在までの進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度末に東北大学東北メディカル・メガバンク機構から解析用データセットを受け取ることができたため、高血圧の家族歴が環境因子と高血圧との関連に与える影響については解析を継続し、解析結果の公表(学会発表・論文化)を進めていく。特に、高血圧の家族歴と各種環境因子との交互作用についても検討を進める。一方、polygenic risk scoreの作成については、東北大学東北メディカル・メガバンク機構内のGWASセンターとの連携が必須であるため、同機構に在籍する分担研究者を通じ、令和3年度に引き続き、具体的な交渉を進める。
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Causes of Carryover |
令和2年度に引き続き、令和3年度も新型コロナウイルス感染症の流行が持続しており、それに伴い東北大学東北メディカル・メガバンク機構への定期的な出張が困難であった。また、情報収集のための各種学会・研究会への参加に関して、ハイブリッド開催が増加したため、学会会場への出張を行う機会が著しく減少した。以上の理由により、次年度使用額が生じた。令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の流行の収束を待って、東北大学東北メディカル・メガバンク機構へ定期的な出張を行い、本研究を推進するとともに、学会発表・論文化に資する費用を含む研究の推進に必要な各種費用を本助成金より支出する計画としている。
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