2020 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災前後の認知症発症とリスク要因の動向及び予防的介入に関する疫学研究
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20K10507
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
江口 依里 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60635118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 裕紀 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (10736721)
大平 哲也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50448031)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 長期的動向 / 循環器疾患認知症危険因子 / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1つ目に「福島県の東日本大震災の避難者と非避難者における認知症発症について、震災前後の動向を明らかにすること」、2 つ目に、「福島県における東日本大震災の避難者と非避難者の認知症発症のリスク要因とその寄与割合についてその動向を明らかにすること」 、そして3つ目に、「東日本大震災の被災地区住民に対する認知症発症予防のためのポジティブな要因の複合的介入の認知症予防効果を検証すること」である。本年は、東日本大震災前後10年間における循環器疾患及び認知症危険因子のトレンドを検討することを目的とした。【方法】対象は、特定健診に参加した40歳~74歳の福島県住民333,225(2008)~439,683(2017年度)人。メタボリックシンドローム割合の経年変化を男女別、年齢階級別、地域別に算出し、ポアソン回帰分析を用いて震災前(2008-10年度)と比較した。震災後の有病率比と、避難地域から最も遠い会津地域に比較した中通り、浜通り、避難地域(指定12市町村)の各有病率比(95%信頼区間)を年度ごとに算出した。さらに変曲点回帰分析を用いて、各年度における変曲点の有無と年間変化割合(APC)を算出した。【結果】メタボリックシンドロームの割合は、男女とも、各地域において震災発生以降有意に上昇しており、特に避難地域で顕著であった。また、震災後は会津地域に比べて避難地域において有病率比が高かった(図1)。これらの関連は、特に高齢群で顕著であった (p for interaction <0.01)。さらに、変曲点回帰分析の結果、避難地域のみ2012年に有意な変曲点が認められた(p=0.028)。【考察】震災前に比べて震災後の福島県内のメタボリックシンドローム割合が特に避難地域で高く、その状態が長期的に継続していることが明らかになった。今後その他のリスク因子、循環器疾患及び認知症発症について確認することが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、本研究の目的の2つ目である「福島県における東日本大震災の避難者と非避難者の認知症発症のリスク要因とその寄与割合についてその動向を明らかにすること」について、メタボリックシンドローム、循環器疾患、高血圧、飲酒、喫煙、運動、等の生活習慣の震災前後の動向を調査している。認知症のデータがそろい次第、さらに1つ目、2つ目の内容を詳細に検討していく予定である。さらに3つ目の目的については、介入研究であり、コロナ渦の現在は開始できていない。可能になり次第開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の1つ目、2つ目の目的、「福島県の東日本大震災の避難者と非避難者における認知症発症について、震災前後の動向を明らかにすること」について、データがそろい次第詳細な解析を進める予定である。また、3つ目の目的については、介入研究であり、コロナ渦の現在は開始できていないため、可能になり次第開始する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染防止のため、介入研究を実施することができず、計画していた使用額に達しなかった。可能になり次第介入研究を開始する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Dietary Patterns and Progression of Impaired Kidney Function in Japanese Adults: A Longitudinal Analysis for the Fukushima Health Management Survey, 2011-20152021
Author(s)
Ma E, Ohira T, Yasumura S,Nakano H, Eguchi E, Miyazaki M, Hosoya M, Sakai A, Takahashi A,Ohira H, Kazama J, Shimabukuro M, Yabe H, Maeda M, Ohto H, Kamiya K.
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Journal Title
Nutrients
Volume: 13
Pages: 168
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Association between psychological factors and evacuation status and the incidence of cardiovascular diseases after the Great East Japan Earthquake: A Prospective Study of the Fukushima Health Management Survey2020
Author(s)
Sanoh T, Eguchi E, Ohira T, Hayashi F, Maeda M, Yasumura S, Suzuki Y, Yabe H, Takahashi A, Takase K, Harigane M, Hisamatsu T, Ogino K, Kanda H, Kamiya K
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Journal Title
Int J Environ Res Public Health
Volume: 17
Pages: 7832
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] 飲酒量および酒の種類と軽度認知障害との関連 東温スタディ2020
Author(s)
藤井晶子, 丸山広達, 柴珠実, 田中久美子, 小岡亜希子, 中村五月, 梶田賢, 江口依里, 友岡清秀, 谷川武, 斉藤功, 川村良一, 高田康徳, 大澤春彦, 陶山啓子
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Journal Title
本老年医学会雑誌
Volume: 57
Pages: 300-307
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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