2022 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病におけるゲノム/エピゲノム情報の前向きコホート研究による検証
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20K10514
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Research Institution | Aichi Mizuho College |
Principal Investigator |
松原 達昭 愛知みずほ大学, 人間科学部, 教授 (30209598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 桂子 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (30387576)
中杤 昌弘 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (10559983)
山本 健 久留米大学, 医学部, 教授 (60274528)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 前向きコホート研究 / ゲノム解析 / エピゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、地域住民3,975名(平均年齢、男(1,712名)65,3歳、女(2,263名)62,3歳)を対象とした前向きコホート研究(KING Study)を2005年に開始した。KING Studyにおいては、対象者の身体計測、血圧、血糖、脂質を含む一般健診項目以外にも、血中レジスチン、アディポネクチン等も測定し、食習慣、飲酒や喫煙等の嗜好品についても調査した。さらに、ゲノムワイド関連解析、エピゲノムワイド関連解析を駆使し、生活習慣病に関連する遺伝子情報の探索を実施してきた。 2010年度末にKING Study参加登録住民に対して、面接調査を含む追跡調査、郵送アンケート調査を行い、回答を得られなかった住民に対して2012~2013年度に再調査を行った。2回の調査の有効回答数は78%であり、その後行政の協力を得て、未回答者における死亡者、転居者の調査を行ったところ、追跡不可能な者は106名であった。 本調査の結果、死亡は2.0%に認められた。新規発症疾患として、虚血性心疾患1.0%、脳卒中0.8%、高血圧2.9%、2型糖尿病0.4%、脂質異常症0.6%であった。 生活習慣病における遺伝要因(ゲノム/エピゲノム情報)および環境要因との相互作用の検証には前向きコホートが重視される。そこで、新たに、2020~2021年度の住民健診時に面接調査や郵送アンケート調査、検体サンプルの採取を計画した。KING Studyでは登録後15年以上が経過し、対象者の年齢は平均80歳に達するため、ある程度のアウトカムが期待される。 一方、生活習慣病におけるゲノム/エピゲノム情報の探索には、多人数を対象とすることが望ましいことから、国内外の共同研究も実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症蔓延のため、2020-2021年度におけるKING Study対象者の面接調査等を行うことは不可能であった。当該感染症が収束すれば、面接調査あるいは郵送アンケート調査、検体サンプルの採取を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝要因(ゲノム/エピゲノム情報)ならびに、環境要因(食習慣、嗜好品等)を包括した生活習慣病の個別化予防の実現に向けて、当該アルゴリズムを前向きコホート研究によって検証することが重視される。 新型コロナウイルス感染症が収束に向かってはいるが、まだまだ予断は許されない状況である。KING Study対象者の面接調査等を行うことが不可能な場合には、本縦断研究基盤をもとに生活習慣病にかかわる新規感受性遺伝子の同定を進めることとなる。
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Causes of Carryover |
参加予定であったいくつかの学会が、コロナ禍の中、Web開催となり、旅費、宿泊費に使用する計画であった支出費目を次年度に持ち越しとした。 次年度に、新型コロナウイルス感染症が収束すれば、KING Study対象者の追跡調査等を実施する計画である。 また、学会参加等による情報収集を積極的に行う予定である。
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