2020 Fiscal Year Research-status Report
一般住民の腸内細菌叢の長期的変動と健康との関係解明
Project/Area Number |
20K10523
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
村下 公一 弘前大学, COI研究推進機構, 教授 (80794601)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 疾患予兆 / 岩木健康増進プロジェクト / 予防医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌叢は生活習慣や健康状態の変化(疾患発症等)により変化するといわれており、腸内細菌叢の変化と疾患発症との関連を見出すことができれば、腸内細菌叢の変化に基づいた疾患の発症予測といった新たな学術的知見を生み出す可能性がある。本研究は、腸内細菌叢の変動と全身健康との関係について明らかにすることである。 研究方法として、2005年から実施している弘前市岩木地区(旧岩木町)の一般住民に対して「岩木健康増進プロジェクト」と題した大規模健診を行っている。令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、5,6月に計画していた健診を9月に延期し、感染予防対策を充分に行った上で研究協力者(大学スタッフ、医療従事者、住民ボランティア等)と密に連携し調査を実施した。規模としては例年の半数程度の計524名となった。また、本健診で取得した多項目ビッグデータ(生理・生化学データ、個人生活活動データ、社会環境的データ)のクリーニング作業を3月に完了した。腸内細菌叢の測定は嫌気性採取バッグにより住民それぞれが糞便を回収し、会場にて容器を回収して分析会社(株式会社テクノスルガ・ラボ)に移送した。 短期及び中長期的で腸内細菌叢が大きく変化した方をピックアップするため、分析データの予備解析を実施した。今後はピックアップされた方の腸内細菌叢の変化を、細菌種別や細菌叢の割合の観点から詳細に分析する。また、短期的・中長期的に腸内細菌叢の変化が見られない方の腸内細菌叢についても、同様に分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、5月に実施予定であった岩木健康増進プロジェクト(大規模住民合同健診)を9月に延期したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度から令和2年度に岩木健康増進プロジェクトに参加された方の腸内細菌叢のデータの比較を行う。具体的には、各年度の腸内細菌叢のデータを主成分分析で比較し、短期的(1年間)で腸内細菌叢が大きく変化した方、中長期的(3~5年間)で腸内細菌叢が変化した方をピックアップする。全ての年度でのプロジェクト参加者はおよそ500名程度と考えているが、中長期的な腸内細菌叢の変化を確認する際は、平成26年度から令和2年度までで複数回プロジェクトに参加された方を抽出できれば良いので、700~800名程度を対象とした分析が可能と考えている。ピックアップされた方の腸内細菌叢の変化を、細菌種別や細菌叢の割合の観点から詳細に分析する。また、短期的・中長期的に腸内細菌叢の変化が見られない方の腸内細菌叢についても、同様に分析を行う. 上記で行った解析をもとに、主に短期的もしくは中期的に腸内細菌叢が大きく変化した方を対象として、健康との関連を分析する。プロジェクトにおいては、腸内細菌叢のみならず網羅的に全身の健康状態について測定・問診を行っておりこれらを用いた比較解析を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、当初参加予定であった学会等が延期または中止となったことや、研究の進捗に遅れが生じたため。
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