2021 Fiscal Year Research-status Report
一般住民の腸内細菌叢の長期的変動と健康との関係解明
Project/Area Number |
20K10523
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
村下 公一 弘前大学, COI研究推進機構, 教授 (80794601)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 疾患予兆 / 岩木健康増進プロジェクト(大規模住民合同健診) / 予防医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸内細菌叢は生活習慣や健康状態の変化(疾患発症等)により変化するといわれており、腸内細菌叢の変化と疾患発症との関連を見出すことができれば、腸内細菌叢の変化に基づいた疾患の発症予測といった新たな学術的知見を生み出す可能性がある。本研究は、腸内細菌叢の変動と全身健康との関係について明らかにすることである。
研究方法として、2005年から実施している弘前市岩木地区(旧岩木町)の一般住民に対して「岩木健康増進プロジェクト」題した大規模健診を行っている。令和3年度についても昨年度と同様に新型コロナウイルス感染症の影響を受け、5,6月に計画していた健診を2度の延期をした結果、11月に感染予防対策を十分に行った上で実施した。この為、データ収集に大幅な遅延が生じた。規模としては例年の半数程度の約536名となった。また、本健診で取得した多項目ビッグデータ(生理・生化学データ、個人生活活動データ、社会環境的データ)のクリーニング作業を実施しており6月にはデータ整備が完了する予定である。腸内細菌叢の測定は嫌気性採取バッグにより住民それぞれが糞便を回収し、会場にて容器を回収し分析会社(株式会社テクノスルガラボ)に移送した。 短期及び中長期的で腸内細菌叢が大きく変化した方をピックアップするため、分析データの予備解析を実施した。今後はピックアップされた方の腸内細菌叢の変化を、細菌種別や細菌叢の割合の観点から詳細に分析する。また、短期的・中長期的に腸内細菌叢の変化が見られない方の腸内細菌叢についても、同様に分析する。今年度は解析用データセットの作成が完了し、本解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、令和2年度に実施した岩木健康増進プロジェクト(大規模合同健診)にて取得した腸内細菌叢データの納品が大幅に遅れていることや、令和3年度に実施した同健診では、2度の延期の為、データ収集作業に大幅な遅延が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に実施した岩木健康増進プロジェクトで取得した腸内細菌叢データの納品がされ次第、迅速にデータ整備を行い、短期及び中長期的に腸内細菌叢が大きく変化した方を対象に血液成分や体重の変化といった生理的指標の変化や運動習慣、食習慣等がどのように影響しているのか網羅的に解析を行う。本研究の実施により得られた成果は、関連学会や学術雑誌にて公表する。
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Causes of Carryover |
当初参加予定であった学会等が、オンライン開催に変更となり旅費の支出がなくなったため。次年度は、腸内細菌叢に関わる学会に参加し、論文投稿を進めていく。
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