2022 Fiscal Year Research-status Report
抗うつ薬のうつ病再発予防効果に関する包括的な効果検証:ネットワークメタアナリシス
Project/Area Number |
20K10527
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 清美 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (90865908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 必生 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (30758892)
田近 亜蘭 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80368240)
古川 壽亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネットワークメタアナリシス / うつ病 / 抗うつ薬 / 再発予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①抗うつ薬の再発予防に関連する全てのランダム化比較試験(RCT)の結果を統合して示すこと、②うつ病の治療で急性期と再発予防を通じで 最も効果と受容性に優れた抗うつ薬を明らかにすることである。昨年度はプロトコルに沿って世界各国で行われた再発予防に関連するRCTを検索し、合計100本以 上の該当研究を同定した。そこから、研究者同士がペアになり必要なデータ(人数、使用薬剤、急性期治療を終えた人数、維持期の最後に寛解していた人数な ど)抽出をおこなった。本年度は結果を英国に送り英国チームのデータ抽出と製薬会社への問い合わせの結果を待っている。 さらに、上記の日本チームが抽出したデータをもとに、抗うつ薬と精神療法、そしてその併用のいずれがうつ病の初期治療として最も効果的であるかを検証する研究を行った。その結果、うつ病の改善とその維持には、初期治療として精神療法を併用するほうが、抗うつ薬のみによる治療よりも有効であることを示した。この結果を実臨床に反映するためにさらに研究結果の報告やガイドラインへの反映を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスのパンデミックに伴い、英国の研究グループでのデータ抽出が遅れたり、製薬会社に請求中のデータが十分に得られていなかった。しかし、日本チームの抽出したデータを土台とした研究は進められている。終息にともない、請求中のデータの獲得を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
抽出の終わったデータから得られた知見をもとに行える研究を進めていく。製薬会社からデータ得られれば抽出し解析に入る予定である。初期治療として抗うつ薬と精神療法の併用が抗うつ薬単独より長期的にみて効果が高いという知見については、ガイドラインなどを通じて普及に努める。
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Causes of Carryover |
コロナの国内での感染拡大に伴い、学会出席などが行えなかったため差額が生じた。感染が収束すれば学会参加など行う予定である。
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Research Products
(1 results)