2020 Fiscal Year Research-status Report
家庭血圧の長期縦断研究からみた血圧変動の共振現象及び無症候性脳血管障害との関連
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20K10529
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久松 隆史 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60710449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 秀幸 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (80294370)
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
児島 克英 岡山大学, 大学病院, 助教 (60509446)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Internet of Things / 非接触型研究 / 血圧変動 / 脳卒中 / 縦断 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、平成29年から島根県益田市の地域住民約1500名(20-74歳)を対象にIoT技術を活用した最長5年間にわたる家庭血圧測定・管理に関するコホート研究(益田研究)を実施中である。本申請研究では、3年超継続して血圧を測定している者を対象として、蓄積された血圧データをもとに血圧変動に関する解析を実施し、頭部MRI検査を追加した。 血圧変動に関する解析手順書を作成した。記録された血圧データ(毎日、起床後・就寝前・就寝中午前2・3・4時に測定)にもとづき、変動指数として変動係数、最高-最低値差、平均 変動幅、等を用いて、時間的(季節・曜日・時間帯など時間的な偏り)および量的(最大値・変動幅等)な側面から年間・季節・日間・日内の血圧変動を評価した。 益田地域医療センター医師会病院において頭部MRI検査を実施した。臨床における頭部MRI検査のプロトコールに準じて標準化された調査手順書を作成し、テストラン実施後、プロトコールを確定させた。頭部MRI検査は、3DT1・T2強調画像、T2-STAR、FLAIR、3D-MRAの多彩な撮影方法を用いて実施した。撮影画像をもとに、放射線科医1名が無症候性脳血管障害(ラクナ梗塞・白質病変・微小出血・脳動脈狭窄)の読影を行った。検査結果については、医師が最終判定を行い、コメントと共に対象者に返却した。 血圧変動解析・頭部MRI検査が完了次第、データクリーニングを行った。血圧変動データ、頭部MRI検査所見、および益田研究データベースを統合したデータベースを完成させた。統合データベースをもとに、年間・季節・日間・日内の血圧変動の実態・関連要因について、横断的な解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、研究計画どおりに、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年と同様に血圧変動解析と頭部MRI検査を実施する。令和3年度は200名を予定する。 血圧変動解析・頭部MRI検査が完了次第、データクリーニングを行う。血圧変動データ、頭部MRI検査所見、および益田研究データベースを統合したデータベースを完成させる。統合データベースをもとに、年間・季節・日間・日内の血圧変動の実態・関連要因、血圧変動の共振現象の実態・関連要因、年間・季節・日間・日内の血圧変動、血圧変動の共振現象と無症候性脳血管障害との関連について、変動の質や量、関連閾値、累積的影響、等を考慮した横断的な解析を行う。解析結果をもとに、漸次、学会・論文等で成果を公表する。
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Causes of Carryover |
主として、データ解析用にパソコンおよび医療用高解像度ディスプレイを計上していたが、研究費の有効利用・節約を目的として研究室所有のパソコン・ディスプレイを用いてデータ解析を行ったため、その分次年度使用額が生じた。使用計画としては、次年度、頭部MRI画像処理・読影やデータ解析に必要な物品費等に充当する。
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Research Products
(2 results)