2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢期における下肢筋肉量の減少が糖尿病発症に及ぼす影響
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20K10534
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Research Institution | Hokkaido Chitose College of Rehabilitation |
Principal Investigator |
世古 俊明 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (80808147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 浩文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20359996)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 下肢筋量 / インスリン抵抗性 / 糖尿病 / 非肥満 / コホート研究 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、コホート集団を対象に縦断研究を行い、肥満の有無とは関係なく高齢者の下肢筋量の減少が、糖尿病発症とインスリン抵抗性(IR)進展に対する予測因子となるかを明らかにすることを目的としている。平成29~31年度に北海道壮瞥町の特定健診を受診した非糖尿病の高齢者500名を対象に令和2~5年度まで、糖尿病発症及びIR進展をエンドポイントとした最大7年間の追跡調査を行うものである。今年度は昨年度に引き続き、COVID-19の影響により特定健診の受診者数に制限を設けていたため、追跡者数の増加には限りがあった。 そのため、既存データの解析を進めた。H29年に受診があった糖尿病及びIRの既往がない高齢者194名を対象にH30~31年でのIR進展をエンドポイントとした多変量解析を行った。最大2年間の追跡におけるIR進展者数は62名であった。また年齢、性別、H29年度の腹囲径、HOMA-IRで調整した多変量解析の結果、下肢筋量のハザード比は 0.80(95%CI:0.79-0.98, p=0.044)であり、高齢者の下肢筋量は肥満とは独立したIR進展のリスク因子であることが明らかとなった。 今年度は本結果をまとめ、Journal of the American Medical Directors Association (impact factor 7.8) に論文を投稿し、受理に至った。 Preserved Lower Limb Muscle Mass Prevents Insulin Resistance Development in Nondiabetic Older Adults. J Am Med Dir Assoc. 2023 Mar;24(3):376-381.e1. DOI: 10.1016/j.jamda.2022.12.002.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19による活動制限の影響により、研究フィールドである北海道壮瞥町特定健診の通常実施が困難な状況である(入場者数制限、測定時間の短縮など)。そのため予定の追跡者数には至っておらず進行に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が「5類」に引き下げられたことにより、今年度の特定健診受診者数の制限は緩和される見込みである。研究開始の準備は整ってきている。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で学会がweb開催となっていることや国際学会への参加見送りによる参加費や旅費の使用、および研究フィールドでの参加者数制限による人件費等の使用が少なかったため、次年度に持ち越しとなった。次年度は状況に応じて実験計画を進行する。
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