2021 Fiscal Year Research-status Report
75歳以上の地域高齢者のフレイルが将来の医療・介護費用に及ぼす影響
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20K10535
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
吉田 裕人 東北文化学園大学, 健康社会システム研究科, 教授 (40415493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 由里子 (木原由里子) 日本医療大学, 保健医療学部, 講師 (00772948)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フレイル / 医療費 / 介護費用 / 75歳以上の地域高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、75歳以上の地域高齢者のフレイルが及ぼす影響を主に医療・介護費用をアウトカムにして調べ、その予防による費用抑制などを検証する。 2021年度においても、2020年度に引き続き、対象者の総死亡・新規介護保険認定(もしくはサービス利用者)状況、年度ごとの医療・介護費用データの新規取得を実施した。すなわち、2020年度は2018年3月に美唄市在住の75歳以上地域高齢者を対象として実施したアンケート調査から得た健康情報(フレイルの有無、住民主体の介護予防教室への参加の有無の他、既往歴、生活習慣など)に医療・介護費用情報などが2018年12月分まで結合されているデータセットに、2019年1月~2020年12月分の新たな上記データを追加したが、さらに2021年度は、2021年1月~同年12月分のデータを美唄市に取得申請した。現在、美唄市においてデータを整理中であり、取得次第、上記データセットに結合予定である。 また、2020年に美唄市研究フィールドにおいて共同研究者であった鹿児島大学の牧迫飛雄馬教授の研究室が、2018年3月に美唄市で実施したアンケート調査に回答し、以後の研究協力に同意を得ている本研究課題の研究対象者を対象として実施した「美唄市在住の地域高齢者のコロナ禍における生活様式の変化に関するアンケート調査」結果を入手した。データ整理が済み次第、本データも上記データセットに結合し、コロナ禍の影響を除いた分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度も当初の計画通り、新たに対象者の総死亡・新規介護保険認定(もしくはサービス利用者)状況、月ごとの医療・介護費用データの取得を美唄市に申請した。美唄市でのデータ調整が済み次第、2018年実施のアンケート調査から得た美唄市在住の75歳以上高齢者の健康情報データと医療・介護費用とをリンクしたデータセットに結合する。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は本研究課題の補助事業期間の最終年度であり、計画では年度内に2018年同様のアンケート調査を実施する予定である。その上で2017年度から2022年度にかけての研究対象者の変化、例えば非フレイルからフレイルへと陥ることでどの程度医療・介護費用が増大するかなどを検証する予定である。 また、2022年度も2020年度、2021年度同様に、総死亡・新規介護保険認定(もしくはサービス利用者)状況、医療・介護費用データを既存のデータセットに追加し、フレイル、非フレイル両群間の医療・介護費用の推移などを比較することで、性・年齢などを調整したフレイルの独立的な経済的インパクトを明らかにしていく予定である。また、2020年に鹿児島大学の牧迫教授の研究グループによって実施されたアンケート調査データも本データセットに追加し、コロナ禍の影響も調整したフレイルの地域高齢者への独立的な影響を分析していく予定である。しかしながら、補助事業期間中のコロナ禍による研究対象者の受診行動の変容などを考慮し、事業期間の1年延長を申請してアンケート実施も先送りすることも検討している。
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Causes of Carryover |
2021年度においても、2020年度同様コロナ禍により、研究フィールドである美唄市の行政及び研究分担者である日本医療大学の松崎由里子講師との打ち合わせのための訪問が十分に行えず、また、研究成果発表のための国内外の学会参加も積極的に行えないなどにより、主に旅費を中心に予定していた支出を下回った。 2022年度もコロナウイルス感染拡大については予断を許さないが、学会もハイブリッドで実施されるなど状況は改善されつつあり、2020年度、2021年度の繰り越し分は、打ち合わせや学会などへの積極的な参加や、引き続き既存のデータセットへ医療・介護費用データなどを追加する際の費用に充当する予定である。
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