2023 Fiscal Year Research-status Report
75歳以上の地域高齢者のフレイルが将来の医療・介護費用に及ぼす影響
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20K10535
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
吉田 裕人 東北文化学園大学, 健康社会システム研究科, 教授 (40415493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 由里子 (木原由里子) 日本医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00772948)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 75歳以上の地域高齢者 / フレイル / 医療費 / 介護費用 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、北海道美唄市の地域高齢者をフレイル「なし」群(以下、自立群)、プレフレイル群、フレイル群別に前向きに追跡し、介護保険新規認定に至るまでの期間、平均累積医療・介護費用を比較、さらに美唄市で実施されている介護予防事業である「貯筋体操」参加の有無別のフレイル有症率の算出を行い、フレイル予防による費用抑制の可能性を検証した。2023年度は引き続き、追跡期間を延長し(17ヶ月から21ヶ月に)、その差が拡大しているかなどを検証した。 21ヶ月間の介護保険新規認定者はフレイル群に多く、認定に至る期間も有意に短かった。また、同期間における平均累積医療・介護費用は、自立群が約105万円、プレフレイル群が約120万円、フレイル群が約155万円とフレイル群が統計学的に有意に高額であった。特に2022年度の成果と比較して自立群とフレイル群の差は拡大していた(約30万円から50万円に)。さらに、「貯筋体操」に「現在参加している」群において、「過去に参加したことがある」群、「参加したことがない」群と比較して、統計学的に有意にフレイル有症率の低さが認められた。 フレイル以後の経済的インパクトの大きさは、年数の経過とともに増大し、介護予防事業参加によるフレイル予防が、医療・介護費用抑制に繋がる可能性が示唆された(第18回日本応用老年学会大会において報告)。 また、2023年度は、2018年3月の調査の研究協力同意が得られた回答者を対象とした追跡調査(郵送調査)を実施し、死亡者を除く対象者894人から657人の有効回答を得て(回収率73.5%)、フレイル有無の変化などを把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年調査に回答を得られた美唄市の75歳以上地域高齢者を追跡するためのアンケート調査は2022年度に実施する予定だったが、コロナ禍の影響を考慮して事業期間を1年延長し、同調査を2023年度に実施することとなった。同調査を予定通り2024年2月中旬から約一ヶ月に渡って実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2018年のアンケート調査回答者を追跡するアンケート調査を予定通り実施し、対象者894人から657人の有効回答を得たが、郵送調査としては高率の回収率であった(73.5%)。今後は期間中の研究対象者の健康状態の変化、例えば非フレイルからフレイルへと陥ることでどの程度医療・介護費用が増大するかなどを検証する予定である。 また、事業最終年度である2024年度もこれまでと同様に、総死亡・新規介護保険認定状況、医療・介護費用データを既存のデータセットに追加し、フレイル、非フレイル両群間の 医療・介護費用の推移などを比較することで、性・年齢などを調整したフレイルの独立的な経済的インパクトを明らかにする。
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Causes of Carryover |
2023年度は2018年3月に美唄市在住の75歳以上地域高齢者を対象として実施したアンケート調査の回答者への追跡調査を行う予定であったが、調査実施準備に時間を要し、結果として実施は年度末の2月中旬であった。調査実施準備を入念に行ったことにより、郵送調査としては高率の回収率(73.5%)を得ることができたので、繰り越し分は、本研究課題の主目的であるフレイルに陥ることによる医療・介護費用増加分の算出のための縦断データセット作成に、さらに研究成果発表のための学会などへの積極的な参加などの費用に充当する予定である。
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