2020 Fiscal Year Research-status Report
Management of highly stressed workers in a workplace: early detection and prevention of depression from a view of somatic complaints
Project/Area Number |
20K10536
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
中尾 睦宏 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80282614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城月 健太郎 武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (50582714)
竹内 武昭 東邦大学, 医学部, 准教授 (60453700)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | うつ病 / 職場のストレス / 身体愁訴 |
Outline of Annual Research Achievements |
高ストレスを受けている労働者が最初からうつ症状を呈することはまれで、最初は頭痛やめまいなど身体不調を訴えることが多い。日本では2017年より職場ストレスチェック制度が導入され、職業性ストレス簡易調査票をモデルとした質問紙が各事業所で実施されている。この質問紙は、ストレスによる心身の反応として「活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感、身体愁訴」を評価している。ところが、身体愁訴の質問項目数は相対的に多いにも関わらず、メンタルヘルス不全による長期休業の最大要因であるうつ病との因果関係が十分に検討されていない。そこで本研究では、労働者の各身体症状の訴えと労働生産性低下との関連を検討し、うつ病のリスクが高い者を同定し、うつ病リスクの程度に応じた適切な事後措置の指針を示すことを目指す。労働者を対象に身体愁訴が労働者の生産性(含むプレゼンティズム、アブセンティズム)に及ぼす影響や職場要因(含む対人関係や作業環境)との関連を評価した上で、身体愁訴によってうつ病の早期発見や発病予防がどこまで可能であるか、3年間の前向きコホート調査で明らかにする予定である。本年度は、都内某事業所(3ヶ所)の5,000人余りの労働者を対象に、年に1回の職場ストレスチェックの際に、職業性ストレス簡易調査票に加えて、研究用の質問紙による詳細な調査を行った。職業性ストレス簡易調査票によって高ストレス者と判定された者に対して、研究代表者を中心としてweb面談を行い、「大うつ病を診断するための精神科構造化面接」と「職場における心理的負荷評価表(厚生労働省)」に基づく聞き取り調査を合わせて実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要で示した職場ストレスチェックと産業医面談による介入を初年度、2年度、3年度と継続し、同一事業所でのコホート調査を行っていきたい。うつ病の新規発症者の追跡調査をし、全国でデータ収集がなされている「職業性ストレス簡易調査票」の身体愁訴項目がうつ病の予測因子predictorとして有用であることを示し、うつ病の早期発見や予防に寄与できる学術的コンセンサスを提示したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症のなかで、web面談が主体になっており、出張費や旅費などの支出は次年度に繰り越しをした。感染症が落ち着いたら、関西圏で研究している研究者と本研究の発表・討論をするために出張費や旅費を使用する予定である。
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