2022 Fiscal Year Research-status Report
一般地域住民における自己抗体陽性率の評価及びその臨床的意義の解明
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20K10538
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉山 大典 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (90457052)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コホート研究 / 自己抗体 / フレイル / 生活習慣病 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の対象者は研究代表者が参画している高血圧・脂質異常症・糖尿病の治療歴及び心血管疾患の既往がない都市部住民集団の男女1,134名を対象とした前向きコホート研究『日常的な健康度を指標とした都市コホート研究:神戸トライアル』(神戸研究)および山形県鶴岡市にて健康診断受診者11,002人を対象に質量分析法を応用した様々な手法で低分子の代謝産物を網羅的に解析するメタボローム解析技術を取り入れた前向きコホート研究『鶴岡メタボロームコホート研究』(鶴岡研究)であり、これら2つの地域コホート研究を基盤として、自己抗体と認知症・フレイル・生活習慣病及び循環器疾患の新規発症との関連を検証し、一般集団における自己抗体発現の臨床的・生物学的意義の考察を進め、自己抗体の陽性と認知症・フレイル・生活習慣病及び循環器疾患の関係を評価し、ハイリスクポピュレーションの同定による予防戦略を構築することを目的としている。 しかしながら、2020年度、2021年度に引き続いて、2022年度も新型コロナウイルスの影響により、両コホート研究共に現地調査は規模縮小しての運用をせざるを得ない状況であったため、今年度は既存データを用いた関連研究として、都市部一般住民における内臓脂肪の蓄積とシスタチンCを基にした算出した推算糸球体濾過量の低下速度平均との関連を横断的に評価した研究(神戸研究)や65歳以上の高齢地域住民を対象とした睡眠状態とサルコペニアに関する研究(鶴岡研究)などに携わった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたように、2022年度は両コホート共に十分な現地調査を行うことが出来ず、保存検体を用いたバイオマーカー等の測定も保存検体を保管している機関へのアクセスが物理的に困難であったため、2022年度に予定通り進めることが不可能であった。 また、研究代表者が本務校所属学部において学部執行部として新型コロナウイルス流行下で教室を始めとした設備管理など様々な学部運営を統括する立場にあったため、2020年度・2021年度に引き続いて教育および学部運営に要するエフォートが大幅に増加し、本研究を含む研究活動へのエフォートを軽減せざるを得ない状況にあった。 このように本研究は予期せぬ新型コロナウイルス流行の影響を大きく受けたこともあり、今年度の研究進捗状況は「(3)やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年4月現在、新型コロナウイルスはまだ完全な収束の目途はたっていないものの、徐々に地域に入っての調査研究が再開されてきている状況であり、感染流行がより落ち着いた頃を見計らって、利用可能な保存検体を用いて自己抗体などの各種バイオマーカーの測定を行う予定である。併せて、ベースラインでの自己抗体測定が完了している神戸研究において、ベースライン調査時自己抗体価と追跡調査での生活習慣病新規発症との関連についての評価をこれまで同様に継続して進める予定にしている。 また、【現在までの進捗状況】で述べたように、今年度は保存血清を用いた自己抗体の測定を見送ることにしたが、その理由は前述のように新型コロナウイルス流行の影響により保存血清保管施設への物理的なアクセスが困難であった事に加えて、保存血清の残量及び保存検体の取り扱いの関係上、別研究にて測定予定のバイオマーカーと併せて2023年度以降に測定する方が望ましいと判断したためである。
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Causes of Carryover |
今年度は保存血清を用いた自己抗体の測定を見送ることにしたが、その理由は新型コロナウイルス流行の影響により保存血清保管施設への物理的なアクセスが困難であった事に加えて、保存血清の残量及び保存検体の取り扱いの関係上、別研究にて測定予定のバイオマーカーと併せて2023年度以降に測定する方が望ましいと判断したためである。 また、本研究以外で母体となる神戸コホートに関係していて、本研究同様に新型コロナウイルス感染症の影響を受け遂行が遅れている研究(若手研究B:17K15834)があり、研究期間の関係で優先的に当該別研究の研究費から執行する必要があったため、今年度分として現地調査用に計上していた旅費・人件費に関しては本研究からの予算執行を控える事とした。 次年度(2023年度)の本研究費については、現地調査が再開されたことに伴い、コホート調査におけるバイオマーカーなどの検体検査費および現地調査のための旅費・人件費として使用予定である。
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[Journal Article] The association between sleep parameters and sarcopenia in Japanese community-dwelling older adults2023
Author(s)
Shibuki T, Iida M, Harada S, Kato S, Kuwabara K, Hirata A, Sata M, Matsumoto M, Osawa Y, Okamura T, Sugiyama D, Takebayashi T.
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Journal Title
Arch Gerontol Geriatr.
Volume: 109
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Association between visceral fat accumulation and decline in the estimated glomerular filtration rate based on cystatin C in the Japanese urban population: the KOBE study2023
Author(s)
Tanabe A, Hirata A, Kuwabara K, Kubo S, Higashiyama A, Hirata T, Sugiyama D, Nishida Y, Kubota Y, Kadota A, Nishikawa T, Miyamatsu N, Miyamoto Y, Okamura T.
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Journal Title
Endocr J.
Volume: 70
Pages: 97-106
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Accumulated unhealthy behaviours and insomnia in Japanese dwellers with and without cardiovascular risk factors: a cross-sectional study2022
Author(s)
Kato S, Harada S, Iida M, Kuwabara K, Sugiyama D, Takeuchi A, Sata M, Matsumoto M, Kurihara A, Hirata A, Okamura T, Takebayashi T.
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Journal Title
BMJ Open.
Volume: 12
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Evaluation of medication adherence in hypertension and dyslipidemia: population-based cohort study in Japan2022
Author(s)
Minako Matsumoto, Sei Harada, Miho Iida, Suzuka Kato, Mizuki Sata, Naoko Miyagawa, Aya Hirata, Kazuyo Kuwabara, Ayano Takeuchi, Daisuke Sugiyama, Tomonori Okamura, Toru Takebayashi
Organizer
ACPE2022(Tainan, Taiwan)
Int'l Joint Research