2021 Fiscal Year Research-status Report
酸化バランススコアと生活習慣病バイオマーカーに関する職域疫学研究
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20K10547
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
南里 妃名子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部, 室長 (20612435)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化バランススコア / 尿中8-OHdG / 妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究において、酸化促進因子と抗酸化因子をスコア化することで体内の酸化ストレス状態を総合的に評価する指標として酸化バランススコア(Oxidative balance score: OBS)が使用されている。しかしながら、日本人では、その妥当性は明らかではない。そこで、日本人におけるOBSを作成し、酸化ストレスマーカーである尿中8-OHdGを用いて妥当性を確認した。使用したデータは、日本多施設共同コホート研究(佐賀地区)二次調査の参加者(45-74歳)8454名のうち、重篤疾患既往者および解析に必要なデータ欠損者を除く7552名(男性3083名、女性4469名)である。栄養素摂取量は、エネルギー摂取量を調整し、抗酸化因子(カロテン・ビタミンE・ビタミンC・身体活動量・非ステロイド性抗炎症薬服用)と酸化促進因子(血清フェリチン・n-3 PUFA・n-6 PUFA・飽和脂肪酸・飲酒・喫煙)を組み合わせて各個人のOBSを算出した。OBS は、スコアが高いほど酸化ストレスは低い(酸化促進因子による曝露よりも抗酸化因子が優位である)と評価される。尿中8-OHdGは、クレアチニン補正値を使用した。解析はすべて男女別に行い、対象者をOBSの4等分位(Q)で群分けし、重回帰分析により交絡要因を調整し、尿中8-OHdGの幾何平均値を算出した。傾向性の検定はカテゴリーに順位変数を割り当てた。また年齢、BMI、月経の有無別(女性のみ)におけるOBSと尿中8-OHdGとの関連についても検討した。年齢、BMI、月経の有無別にOBSと8-OHdGとの関連を検討した結果、年齢、BMI、月経の有無にかかわらず、男女ともにすべてのOBSと尿中8-OHdGとの間に有意な負の関連がみられた。以上の結果から、個人の酸化バランス状態を評価可能である指標であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、本研究テーマに対して、妥当性の確認を行い、炎症性マーカーとの関連について検討を実施し、国内学会にて報告した現在、これらの論文作成を進めており、概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
既に国内学会にて報告済みの2つの解析について、論文作成を進め、国際誌へ投稿を行う。
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Causes of Carryover |
論文投稿に際する、図書・物品・英文校正費・投稿費及び、学会発表、新規解析に必要な物品などに使用する計画である。
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