2021 Fiscal Year Research-status Report
MSイメージングによるカンナビノイド類の標的神経細胞同定と単一細胞薬物動態解析
Project/Area Number |
20K10554
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
草野 麻衣子 昭和大学, 医学部, 講師 (60733574)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 分析化学 / 薬物動態 / 合成カンナビノイド / LC/MS/MS / 神経伝達物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大麻の活性成分であるΔ9-THC及び新旧世代の合成カンナビノイドJWH-018とAB-CHMINACAについて、マウス投与実験を介してそれぞれの薬物の作用の違い及び毒性解除の解明を目的としている。2021年度もコロナ禍の中、テレワーク推進や研究代表者が分析を行っていた共通機器室のスケジュール制限など、実験が制限される期間があった。さらには、研究代表者が年度途中より名古屋大学から昭和大学に所属変更し、新たな研究環境の構築を行ってきた。研究遂行に必要である麻薬およびTHCを愛知県から東京都へ移管(譲渡)する手続きに時間がかかり、研究をその間休止せざるを得なかった。 研究2年目(2021年度)前半では、マウスの行動実験を引き続き行い、薬物投与濃度と作用の違いを記録した。LC-MS/MSを用いた脳内神経伝達物質および投与した薬物の分析法開発も引き続き改良を行ったが、新たな所属先では分析装置の機種が異なるため、改めて分析メソッドの構築・確認が必要となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
進捗は全体的に予定より滞っている。 研究代表者の所属機関変更に伴い、新たな研究環境の構築を行ってきた。昭和大学着任後、動物実験計画書および遺伝子組換え実験計画書の申請・承認を行うことができ、動物実験を行う環境が整ったが、研究室内で動物の飼育・実験を行う設備がないため、動物実験再開までにはもうしばらく時間を有する。 県をまたいだ所属機関変更であったため、研究で使用しているTHCおよび麻薬類に関しては愛知県で研究協力者に一旦譲渡し、研究代表者が東京都で麻薬および大麻の研究者免許取得後、再度薬物の移管手続きを行った。これらが完了するのに数か月かかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究に必要な薬物の移管が全て完了したことにより、昭和大学での分析法構築の再開が進められる。動物実験の再開にもむけてとりかかりたい。今後は本研究で今後必要となるArc dVenusマウスなどは名古屋大学環境医学研究所から持ち込む必要もあるので、手続きにとりかかりいたい。
|
Causes of Carryover |
2021年度はコロナ禍および研究代表者の所属機関変更に伴い実験が大幅に制限された。新たな環境での動物実験計画書・遺伝子組換え実験計画書の申請や麻薬・THCの愛知県から東京都への移管手続き(研究代表者の麻薬および大麻研究者免許の申請期間含む)などに大幅に時間がかかったため、予定していた計画と変わってしまった。また、コロナ禍のため研究打ち合わせや学会(国内・国際)が開催されなかったため次年度使用額が生じた。 次年度は予定していた研究計画の遅れを取り戻すためマウス購入やLMD-LC/MS/MS実験に必要な消耗品購入、さらに学会参加に向けて使用する予定である。
|