2023 Fiscal Year Annual Research Report
T-tubule remodeling and calcium handling dysfunction in fatal cardiac hypertrophy
Project/Area Number |
20K10565
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
垣本 由布 東海大学, 医学部, 准教授 (40734166)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 突然死 / 心肥大 / 質量分析 / タンパク質 / 異方性 |
Outline of Annual Research Achievements |
質量分析にて突然死群で増加が認められたMYH7について免疫染色を実施した。健常心臓では中輪状筋において内・外縦走筋よりも高発現が認められた一方、突然死群では内縦走筋において発現が増加していた。ヒトの心臓壁は、内縦走筋・中輪状筋・外縦走筋から成り、この3層構造が心臓の異方的収縮能に寄与している。スペックル・トラッキングエコーやMRIを用いた臨床画像診断では、心臓の長軸方向の収縮能低下が心不全を早期から予想することが知られており、今回明らかとなった内縦走筋でのMYH7増加が心臓の長軸方向の収縮能低下を招き、突然死の発症に寄与した可能性がある。また、MYH7に限らず、心筋3層のタンパク質プロファイルの変化が突然死のリスクとなる可能性が示唆された。 そこで、心臓壁3層から心筋を分離採取してプロテオーム解析ができないか検討した。内縦走筋・中輪状筋・外縦走筋を肉眼的に分離採取することは難しいため、レーザーマイクロダイセクション(LMD)を用いて顕微鏡下でのサンプリングを行った。ホルマリン固定し薄切した組織切片の染色法として、ヘマトキシリン染色、ヘマトキシリン&エオジン染色、トルイジンブルー染色を用い、顕微鏡下での筋束の識別性と質量分析でのペプチド検出への影響を比較した。3染色とも同定ペプチドプロファイルに大きな差はなかったものの、組織識別性と同定ペプチド数はトルイジンブルー染色が最も優れていた。また、5μm厚切片で10㎝2の組織が採取できれば、質量分析における定量解析が行えることが確認された。
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