空気圧ソフトデバイスの応用による看護教育のためのマッサージ学習支援システムの構築

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K10580
• Research Institution: The University of Shiga Prefecture
• Principal Investigator: 西岡 靖貴 滋賀県立大学, 工学部, 講師 (70609734)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 関 恵子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (40760393) ; 伊丹 君和 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (30310626)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: マッサージ計測

Outline of Annual Research Achievements

本研究では，柔軟性が可変なマッサージ手技計測ソフトデバイスを開発し，看護学部所属の研究分担者と連携し，多様な対象者に対応したハンドマッサージ学習システムの実現を目的としている。2020年度では，基礎看護におけるハンドマッサージの実態調査，ハンドマッサージの計測とソフトデバイスの開発を計画していた。
実態調査の対象として、外部の熟練者は感染症対策の観点から取りやめ、熟練者の計測は分担研究者のみとした。看護学生に対して学習者の現状については、計測を実施した。計測には計画していた血流センサを購入し、用いた。ソフトデバイスについては、ポテンショメータを用いた位置計測機能、エアバッグセンサを用いた力計測機能を有する前腕型シミュレータを試作した。2種類のセンサを用いて，基礎実験を実施した。モータを用いて一定圧を加えながら、手技を模倣した運動をデバイスに加え、実運動とその計測値を比較することで、センサ計測値の妥当性について検証した。また、デバイスだけでなく、シミュレータ計測値を視覚化するためのインターフェースを試作した。
本シミュレータを用いて、熟練者の手技を計測し、評価することとした。また、血流センサを用いて、熟練者の指導前と指導後とでの変化を計測した。その評価結果と学習者の手技を対象者数認に対して比較した。シミュレータによる計測値と血流センサの計測値、熟練者・学習者との主観評価について、関係性を分析した。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

熟練者に関しては、一例のデータのみしか計測できなかったが、ソフトデバイスの開発については第1段階の試作ではあるものの、基礎実験結果から概ね順調といえる。本デバイスを用いた学習インタフェースについても、基礎的なシステム構成ができており、今後の学習支援効果の検証に期待できる。また、マッサージ手技の計測についても複数について検証することができ、現状の実態調査と実験方法の確立が実施できた。

Strategy for Future Research Activity

ソフトデバイス自体の手技計測時のエラーについて解決するための新たなデバイスを試作する。学習用インターフェイスについて、熟練者と課題について議論し、改善する。本年度は学習効果について基礎的な検証をすることを目的とする。

Causes of Carryover

感染症対策の観点から、研究開始に遅れが生じた。また、学会発表や情報収集に関する旅費、他の熟練者に対する謝金分について、支出されなかったことが理由である。