2020 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院に勤務する看護師の自律的学習意欲の構造化と尺度開発
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20K10582
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
野寄 亜矢子 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (00824830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 佐知子 武庫川女子大学, 看護学部, 准教授 (50432498)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護師 / 自己教育力 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護師は継続学習による能力の維持・開発に努める必要がある。しかし近年、業務の過密化や単調化による刺激の低下、他者からの評価の機会の減少により急性期病院に勤務する看護師の自律的な学習意欲が低下しているとの指摘がある。しかし、実際に学習意欲が低下しているかどうかは実証されていない。これまでにも自律的な学習意欲を測定する既存の尺度はいくつか存在するが、対象とする集団の違いや尺度の統計的信頼性・妥当性の低さからそのまま看護師に適応することが難しい。本研究は看護師の自律的学習意欲、つまり自己教育力の構成概念を明確化し、看護師の自己教育力の構造を明らかにすることである。これにより、看護師の自己教育力を測定する尺度を開発することを目的としている。 当該年度では、文献検討を行い看護師の自己教育力に関連する文献検討を行い、看護師の自己教育力がどのように定義づけられているか検討した。看護師の自己教育力の多くが教育学分野で提唱されている梶田(1985)の自己教育性の概念から定義づけられていることが分かった。このことから、梶田(1985)の自己教育性の構成要素に基づき、看護師の自己教育力の調査項目を検討した。さらに、専門看護師や認定看護師または看護系大学において修士課程以上の学位を取得している看護師8名を対象に専門家調査を実施し、Content validity indexを算出し作成した調査項目の内容妥当性を検討した。内容妥当性を検討した調査項目を用いて、関西圏内の400床以上の1施設に研究協力を依頼し、350名の看護師を対象に予備調査を実施した。調査内容は作成した看護師の自己教育力の調査項目とあわせて、基準関連妥当性を検討するために外的基準として看護師経験年数、資格取得の有無および急性期病院に勤務する看護師の看護実践能力尺度を用いた調査を行った。現在は予備調査の結果について分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた文献検討を行い、看護師の自己教育力がどのように定義づけられているか検討した。文献検討から、さらに看護師の自己教育力の尺度開発につなげるための調査項目の原案を作成し、専門家調査を行い、予備調査まで実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、新型コロナウイルスの感染の動向を鑑みながら、全国7地域(北海道・東北・関東・中部・近畿・四国・中国・九州地方)から層化抽出を用いてランダムに複数施設を抽出し、調査項目数から割り出されたサンプルサイズに基づき本調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は、文献検討が中心であったが書籍等の購入はなく、また予備調査までを実施したが回収は留め置き法で行ったため郵送費がかからず使用額に変更が生じた。2021年度は、本調査を進めていく予定であり、調査票の印刷および郵送費に使用するとともに学会での発表のための旅費に使用する予定である。
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