2021 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院に勤務する看護師の自律的学習意欲の構造化と尺度開発
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20K10582
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
野寄 亜矢子 神戸市看護大学, 看護学部看護学科, 助教 (00824830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 佐知子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (50432498)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護師 / 自己教育性 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は看護師の自律的学習意欲の構成概念を明確化し、看護師の自己教育力の構造を明らかにし、看護師の自己教育力を測定する尺度を開発することを目的としている。 当該年度は予備調査の分析と本調査の実施であったが、前年度に実施した1施設を対象とした予備調査の分析結果より、さらに調査項目の精錬化を図る必要があると判断した。そのため、当該年度は全国的な予備調査を追加し実施した。予備調査での調査項目は、前年度に実施した文献検討、専門家調査および1施設での予備調査の分析結果も含め検討した。また、繰り返しの専門家調査を行い、共同研究者と検討を重ね、文献検討からすでに得られていた看護師の自己教育性の5つの構成要素(看護への興味、自信・充実感・安定性、成長・発展の志向、省察する力、学習の技能)を測定できる62項目とした。調査項目の内容は対象者の基本的属性も併せて調査した。- 300床以上を有する施設を7地域(北海道・東北・関東・中部・近畿・四国・中国・九州地方)から層化抽出し82施設に依頼した。次に施設から同意が得られた22施設1080名の看護師を対象とした。416名(回収率 38.5%)から回答が得られ、有効回答は381名(91.6%)であった。しかし、分析対象者は249名とした。その理由は本研究の予備調査に参加した看護師が専門看護師・認定看護師の資格を有している者とそうでない者の全国割合よりも多かったためである。そのため、全国割合に応じた分析対象数の調整が必要であった。項目分析、探索的因子分析実施した結果、3因子27項目の項目となった。項目の因子負荷量は.516-.895であり、抽出後の負荷量平方和の累積 54.017%であった。尺度全体のクロンバックα信頼係数は.945であった。文献検討では5つの要素で構成されていると考えられたが、因子分析の結果より3因子構造であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は、前年度得られた1施設での予備調査の結果から本調査までつなげていく予定であった。しかし、項目の精錬化を図るために予備調査を全国的に実施することを追加した。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、依頼が困難な状況もあり進まない状況が発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、新型コロナウイルスの感染の動向を鑑みながら、全国規模で本調査を実施する。全国規模の本調査は、7地域(北海道・東北・関東・中部・近畿・四国・中国・九州地方)から層化抽出を用いてランダムに複数施設を抽出し、予備調査で洗練化された調査項目を用いて郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施し、確証的因子分析により分析を進める。さらに、得られた成果について学会発表および論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度は、予備調査を全国的に実施することを追加したため郵送費が予定していた使用額より変更が生じた。2022年度は本調査を進め、調査の郵送費に使用するとともに学会での発表のための旅費に使用する予定である。
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