2023 Fiscal Year Annual Research Report
急性期病院に勤務する看護師の自律的学習意欲の構造化と尺度開発
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20K10582
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
野寄 亜矢子 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (00824830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 佐知子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (50432498)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護師 / 自己教育性 / 尺度開発 / 大規模調査 / 重回帰分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は看護師の自律的学習意欲として「自己教育性」に着目し,その構成概念を明確化し,看護師の自己教育性測定尺度の開発を目的としている. これまでに看護師の自己教育性尺度の開発し,自ら学ぶ力・省察する力・看護への興味と仕事の充実感の3因子27項目からなる尺度を作成した.開発した尺度は,成人学習者の特徴を捉えた尺度項目から構成され,一定の信頼性と妥当性が確認された.前年度は開発した尺度を活用し,2次調査として全国の300床以上を有する急性期病院82施設に勤務する5,636名の看護師を対象に開発した尺度を用いて無記名自記式質問紙調査を行い,尺度の得点分布の可視化と看護師の自己教育性に関連する要因について無記名自記式質問紙調査を実施した.今年度は、2次調査の結果について学会発表および論文投稿を行った. 本研究により看護師の自己教育性尺度として《自ら学ぶ力》、《省察する力》、《看護への興味と仕事の充実感》からなる3因子27項目の看護師の自己教育性尺度が開発した.開発された看護師の自己教育性尺度は,(1)概念分析で示された看護師の自己教育性の5属性が全て含まれていること,(2)成人学習者である看護師の主体的な学習プロセスを踏まえていること,(3)先行研究で実証されている看護師の経験学習の重要性が反映されていることより,看護師の自己教育性を適切に測定できていると考える.尺度開発とは別の大規模データでも妥当性が確認できたことから妥当性の高い尺度であると言える.また,関連要因の検討から他者からの内省支援・精神支援,他者との社会的相互作用による学ぶ機会が看護師の自己教育性を高める要因であること,承認や役割付与は看護師の自己教育性を高める要因である一方で,低下させる要因でもあることが示された.
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