2022 Fiscal Year Research-status Report
抗癌剤漏出に関する調査とステロイド局所注射の作用を中心としたケアの実証的研究
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20K10584
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
及川 正広 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (60537009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 有里 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (80305268)
三浦 奈都子 (小山奈都子) 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (40347191)
小池 祥太郎 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (30553317)
小野木 弘志 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (50610200)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抗がん剤 / 血管外漏出 / 罨法作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ビンカアルカロイド系抗がん剤である、エクザール;(ビンブラスチン硫酸塩)における、漏出性皮膚傷害ならびに、冷罨法作用についての検討を行った。実験方法は、実験動物(ラット)背部の皮下組織2ケ所にエクザール;1.0㎎/mlを0.5ml注入し漏出状態とした。冷罨法は、皮膚表面温度を基準に、17℃~19℃程度で冷やした18℃群、21℃~23℃程度で冷やした22℃群に分け、漏出後の皮膚傷害の変化を比較評価し検討を行った。漏出部の観察は、漏出当日から毎日、同時間帯に、発赤、腫脹、潰瘍などの観察を行った。また、漏出後7日目に皮膚組織を摘出し、浮腫、癒着、出血などの観察を行った。その結果、全ての漏出部位で発赤が確認されたが、潰瘍まで移行した漏出部位は、18℃群では1か所、22℃群では3か所と、18℃群で傷害が少ないという結果を得た。ビンカアルカロイド系抗がん剤に関しては、病院施設の抗がん剤漏出マニュアルなどでも、冷罨法、温罨法の実施が、各病院で別れており、また、どの程度の温度で罨法を行うかなどは検証されていない状況である。今後、今回の実験結果を参考にしながら、追実験を行い、さらに、温罨法との比較実験を行っていく。また、昨年度実施した、実験結果に関しては、第42回日本看護科学学会学術集会において、「アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤血管外治療剤の作用に対する検証」のタイトルで示説発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験動物を用いた検証や学術集会での発表も少ない件数に留まってしまった。また、アンケートも、コロナ禍で臨床現場が多忙を極め、計画的に進めることができずに終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物を用いた検証実験計画の見直しを行い、より詳細に計画的に進め、結果を臨床に還元できるよう努める。また、アンケート調査に関しても、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行することもあり、積極的にアンケート調査を進め、結果を報告できるようにする。
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Causes of Carryover |
主に、実験動物を使用した実験件数が少なかったことが理由としてあげられる。次年度は、共同研究者との連携も密にとり、本年度分の計画分も含め、次年度の研究計画を修正し、計画的に実験を行うようにする。
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Research Products
(2 results)