2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of the Empowerment Scale for Nursing Students in Clinical Practice
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20K10588
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
原 あずみ 日本赤十字看護大学, さいたま看護学部, 助教 (70848861)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エンパワーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、まず、研究者が看護学生を対象に行った修士論文の研究を学会誌に投稿した。論文の査読プロセスで分析を見直すことにより、Siu et al.(2005)が開発したCLEQ(The Conditions for Learning Effectiveness Questionnaire)下位尺度である「支援」、「機会」、「資源」、「情報」に加え、「安心できる環境」、「患者との関わり」が日本の看護学生のエンパワーメントの構成概念として明らかとなった。 次に、昨年度実施した「看護学生のエンパワーメント」に関する文献検討を、学術集会で発表した。発表を通じて、看護学生のエンパワーメントは、①「構造的エンパワーメント」と「心理的エンパワーメント」の2側面の概念的視点から捉えられていること、②近年臨地実習に焦点を当てた研究が増加傾向にあること、③看護学生と彼ら/彼女らを取り巻く人間関係が相互に影響しあう関係についても検討していく必要があることが再確認できた。 本研究と並行して、関連する2019~2020年度日本赤十字看護大学奨励研究費助成を受けた研究のデータ分析を進めた。看護学生を取り巻く環境として臨床実習指導者を対象に行ったインタビュー調査では、インタビューは予定通り実施したが、データ分析を当初の予定に反して1年延長した。現在、データ分析を終え、学会発表の準備中である。また、この調査で得られた結果を看護学生のインタビュー調査の結果と比較検討し、尺度項目を洗練していく。 今後は、「臨地実習における看護学生のエンパワーメント」に関する看護学生への追加のインタビュー調査および専門家会議による表面妥当性と内容妥当性の検討を予定している。研究者がこれまでに行った研究で得られた知見を踏まえて尺度項目を作成することは、臨地実習における看護学生のエンパワーメントの状況を反映した尺度原案の作成が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
進捗が遅れている理由は、まず、COVID-19の感染拡大の影響による多忙な職務状況から研究に従事する時間が減っているためである。次に、本研究と関連する2019~2020年度日本赤十字看護大学奨励研究費助成を受けた研究の遂行を優先したことが挙げられる。そのため、本研究では、2021年度は尺度原案の作成に向けて看護学生への追加のインタビュー調査を実施していく計画であったが、倫理審査ならびに研究協力施設への依頼等の準備が進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は研究の次の段階として、まず、2022年12月までに「臨地実習における看護学生のエンパワーメント」に関する看護学生への追加のインタビュー調査を実施し、研究者がこれまでに行った研究で抽出したデータを含め検討し、尺度項目を作成する。なお看護学生への追加のインタビュー調査に関して、COVID-19の状況を鑑みながら研究協力施設への依頼を行い、施設側の受け入れ状況について情報収集しながら、インタビュー調査の方法について施設側の状況に応じた実現可能な方法を検討していく。次いで、12月以降は、専門家会議による「臨地実習における看護学生のエンパワーメント尺度」の表面妥当性と内容妥当性の検討を実施し、尺度原案を作成する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大の影響による職場の多忙な状況から研究遂行のための時間が減り、2019~2020年度日本赤十字看護大学奨励研究費助成を受けた研究のデータ分析に十分な時間を要したこと、さらに目標とするところまで本研究の成果が出せていないことが主な理由である。また、知見を広げるための国際学会の参加についてはCOVID-19の感染拡大の影響で参加できなかったことが理由である。2021年度は研究に必要な物品については予算を執行しているが、次年度使用額が生じている。今後の予算執行計画としては、インタビュー調査ならびに専門家会議を実施する予定であり、その研究遂行で必要となるデータ収集、テープ起こし、謝礼品、専門的知識の提供にかかる経費として使用する。加えて、国内外の学会発表への参加が可能になれば、学会参加費、旅費を使用する。
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Research Products
(2 results)