2020 Fiscal Year Research-status Report
我が国と米国における看護系大学教員の脆弱性と自己超越性に関する研究
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20K10597
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Research Institution | Fukuoka jogakuin Nursing College |
Principal Investigator |
星 美和子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (70433133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 奈美子 (大西) 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50344560)
吉野 拓未 福岡女学院看護大学, 看護学部, 講師 (50711917)
西田 裕子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 助教 (70806512)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護教員 / 成長 / ウェルビーイング / 自己超越性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、看護系大学教員の成長について、Reed(1991;2014)の自己超越理論を基本として構築した中範囲理論的モデルの検証を通して明らかにすることである。また、看護学の発展においては世界の先端を走る米国の看護系大学教員との比較を通して、日本の看護系大学教員の脆弱性を明らかにするとともに、それを補完し自己超越と成長を支援する方策を提言することを最終的な目的としている。令和2年度の計画としては、国内外の文献検討を進めて最新の知見を得るとともに、本研究の理論的モデル案の構成概念について分析と規定を進め、概念の経験的指標、つまり尺度の修正・開発または既存の尺度の選定を行うことを予定していた。 しかしながら、教育的なワークブックの編集に加え、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、授業や実習形態の大幅な変更が多数発生し、教育負担が非常に増大した。それによって、研究代表者、研究分担者、国外の研究協力者がそれぞれで少しずつ文献検討を進めることはできたが、理論的モデルに関する検討並びに構成概念の分析や規定、経験的指標の選定や開発までには至らなかった。 2月下旬と3月になってようやく予定していた研究代表者、研究分担者、そして国外の研究協力者との研究会議をオンラインで開催することができたため、今後の方向性とそれに向けての各自の担当や役割について再確認するとともに、理論的モデルの構成概念の一つである脆弱性の概念規定について、(途中までではあるが)進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、研究代表者、研究分担者、そして国外の研究協力者についても、授業や実習の中止、授業形態や実習運営方法の変更などを余儀なくされ、教育及び大学運営上の負担が増大したことにより、研究のエフォートが全く確保できない状況が継続したことが遅れが発生した主な理由である。 2月下旬にはようやく第1回目の研究会議をオンラインで開催することができたが、その後、研究代表者の所属する大学の教育方針の急な変更により(COVID19パンデミックの影響ではあるが)、研究代表者及び研究分担者が、年度末の3月に教育上の特別対応を数週間に渡って実施する必要が発生したことで、再度、研究活動が全くできない状況に陥った。これらの理由から、研究計画よりも、大幅に研究の進行が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度末に開催した研究会議(オンライン)において、研究の方向性について共通理解を図り、それぞれの役割分担や作業内容をより明確化することが可能になった。また、構築した理論的モデルの構成概念の一つについては、(途中ではあるが)概念規定へと着実に進めることができた。今後は、残りの構成概念の明確化と規定、尺度選択(または開発)を順次進めていく予定である。更に、ある構成概念については、質的研究をすることも議論されたことから、実現の可能性を検討したい。 また、この研究のもととなった研究成果について、11月の国際学会での発表を予定している(COVID19パンデミックのためバーチャルでの参加とした)。その際に、国内外の研究者から自己超越や看護教員に関する新しい知見を得て、必要時、研究計画や内容に変更を図る。 現在の状況であれば、研究代表者・研究分担者・国外の研究協力者との会議(オンライン)を、月に一度は開催が可能な状況であることから、定期的に議論と検討を重ね、検証用理論的モデルの完成、尺度選択と質問紙作成、倫理審査承認(日本及び米国)を年度内に終了させ、今年度末までには調査実施(または調査実施準備)をすることを目指す。更に、オンライン会議では、(英語での会議ということもあって)細部について全員が共通理解を図ることが難しい場面もあったことから、状況が許せば、対面での会議を開催することを検討する。
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Causes of Carryover |
COVID19のパンデミックにより、対面での会議が開催できず、オンラインでの会議開催となったことから、旅費を使用する機会がなかった。また、教育負担増大に伴い研究エフォートの確保が困難になったことから、当初予定していたよりも、研究計画に大幅な遅れが生じている。そのため、予定通りに、文献を十分に収集したり、必要なPCやPCソフトを購入することができなかった。したがって、次年度は、今年度できなかった十分な文献収集並びにデータ整理や分析のためのPCやPCソフトの選択と購入を計画している。
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Research Products
(1 results)