2023 Fiscal Year Research-status Report
肥満者の皮膚障害予防を目指した真皮細胞外マトリックス調節機構の解析
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20K10604
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
槇原 弘子 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00708696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤瀬 智子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肥満 / 皮膚 / 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は創傷治癒遅延、創部感染、褥瘡などの皮膚障害のリスク因子である。肥満者に対する皮膚ケアや皮膚障害に対する予防策を確立していくためには、基礎研究の積み重ねによる分子メカニズムの解明が必要となる。本研究では、皮膚の強度を担い、創傷治癒促進に働く真皮の細胞外マトリックスが、肥満により減少することに着目し、基礎研究によって予防ケア方法の確立を目指す。 これまで肥満による真皮エラスチン線維の減少が日本人の軽度な肥満であっても生じることが確認でき、そのメカニズムについて検証してきた。エラスチン分解酵素の遺伝子発現の亢進は認められない一方でエラスチン発現量の増加が認められた。本年度は他の線維産生に関わる遺伝子発現量を解析し、マイクロフィブリルやエラスチン分子の架橋に関わる酵素などにも発現量に変動が認められなかった。 軽度肥満マウスの創傷治癒過程における皮膚組織の解析では有意な差異がなかったがHE染色の結果から再形成された真皮層の菲薄化が観察された。しかしながらコラーゲンを構成する3種類の遺伝子(Col1a1, Col1a2, Col3a1)の発現量は2群間に有意な差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はヒト皮膚組織および軽度肥満モデルマウスの創傷治癒過程における解析を進めることができ、軽度な肥満が真皮組織に与える影響について遺伝子発現量としては大きな差異がないことが分かった。 またこれまで得られた基礎研究の成果について、看護研究学会や看護薬理学カンファレンス等を通じて看護分野にむけて発信することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト皮膚組織を用いた解析については遺伝子発現量の解析が終了したため、今後は軽度肥満モデルマウスの組織学的解析を進める。最終年度として主には、研究成果の発信を実施していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、2020-2021年度までに生じていた繰り越し分である。次年度は論文投稿を予定しているためその英文校正や投稿費用に充てる。また所属機関の異動が生じたため、本研究課題遂行に必要な物品の購入などにも使用する。
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