2020 Fiscal Year Research-status Report
情報プライバシーに配慮した地域医療連携における患者情報の共有のありかた
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20K10618
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
新實 夕香理 名古屋女子大学, 健康科学部, 教授 (20319156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 勝正 東都大学, 沼津ヒューマンケア学部, 教授 (60194156)
池上 千賀子 (曽根千賀子) 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (40336623)
大竹 恵理子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 看護学部, 准教授 (10423849)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 情報プライバシー / 地域医療連携 / 情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域医療連携における情報共有について、情報プライバシー、その中の自己情報コントロール権の観点から共有する情報の範囲と共有の相手を患者がどのように決めていけばよいか、そのために医療従事者は患者にどのような説明をすればよいかを明らかにすることである。 本研究は、情報プライバシーに配慮した地域医療連携における患者情報の共有のありかたを探るために、3つのプロセスで研究を進めることを計画している。令和2年度は、地域医療連携が展開されている地域中核病院から診療所にどのような情報が提供、共有されているのかを把握することを目標とした。医療情報連携ネットワークでは患者の同意を前提として、かかりつけ医等による、その情報の参照、共有が推進されており、現状としてほとんどの患者は疑問なくそのような医療体制を受け入れていると推察される。しかし、情報通信技術(ICT)を活用した情報共有において患者は自分の情報がどこまで共有されているか、どこまで理解できているのかについては疑問がある。個人情報保護や自己情報コントロール権の観点から共有する情報の範囲と共有の相手を患者がどのように決めていけばよいか、それらを決定するための方法を提案したいと考える。 令和2年度は、新型コロナウイルスによる研究活動への影響が生じ、当初予定していた調査を進めることができなかった。このため、文献調査を中心に研究活動を行った。 先行研究の成果の一部を第40回医療情報学連合大会(静岡県・浜松)において演題発表し、本研究を進める上での貴重な意見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度は新型コロナ感染症の感染拡大による緊急事態宣言などの影響により、教育の再構築が喫緊の課題となり研究活動に支障を生じた。医療従事者を対象としたインタビュー調査を実施することを計画していたが、研究施設への立ち入り制限や地域間移動の制限、接触制限などによる影響を考慮せねばならず、本研究の進捗状況が遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
医療従事者を対象としたインタビュー調査について、対面ではなくオンラインによるインタビューにする、質問紙調査を取り入れるなど計画を部分変更し、調査実施につながるように研究倫理審査の準備を進める。同時に、調査の実現のための医療施設および対象者のリクルートなどを行う予定である。
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Causes of Carryover |
医療従事者を対象としたインタビュー調査が実施できなかったことにより、次年度使用額が生じた。医療従事者対象のインタビュー調査を開始できなかったため、本年度に計上していた物品費、旅費、調査協力への謝金などの費用を令和3年度に使用する。また、令和3年7月および11月に開催される医療情報関連学会での情報収集、看護情報学専門家との意見交換によって今後の調査研究のための貴重な示唆が得られると考え、学会参加費および旅費に充てる。
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