2021 Fiscal Year Research-status Report
グローバル化時代の看護人材確保ー国際移動した日本人看護師の発掘と再獲得
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20K10620
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
那須ダグバ 潤子 京都先端科学大学, 健康医療学部, 講師 (70554898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 ゆう子 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任教授(常勤) (60183026)
李 錦純 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (60584191)
岩佐 真也 静岡県立大学, 看護学部, 客員共同研究員 (70405372)
藤井 誠 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (10803760)
市川 徳子 京都先端科学大学, 健康医療学部, 契約助手 (70883411)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本人看護師 / 国際移動 / グローバル化 / 人材確保 / オーストラリア |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に実施した資料収集および文献検討をもとに、オーストラリアで働く日本人看護師のビザおよび看護師登録について整理し、学会発表および雑誌論文として発表した。 先進国の看護師が国際移動する場合、より良い生活環境、キャリアを求めていることがわかっている。しかしながら日本人看護師の場合は、英語力を高めること、休暇を取ることを目的としてオーストラリアに入国している。こうした日本人看護師が初入国時に最も利用する2種類のビザが、学生ビザまたはワーキングホリデービザである。 学生ビザには就労時間の制限があり、就学に伴う学費、滞在費、生活費の準備が必要となる。日本で看護師免許を取得し、ある程度の看護師経験を積んだ場合には経済的ゆとりが出やすく、十分な資金を準備して渡航することも不可能ではない。しかしながら、結婚、出産、育児というライフステージの変化が起きやすい時期にも該当する。 日本とオーストラリア間のワーキングホリデービザ(サブクラス417ビザ)は、18歳から30歳までの若者を対象に、休暇および旅行費や滞在資金を補うための付随的な就労を認めるビザである。学生ビザと異なりフルタイムで働くことができるが、就労期間は6ヶ月間であるなどのルールがある。31歳の誕生日を迎えるまでにビザ申請を行わなければならず、臨床経験を多く積んだ30代の日本人看護師には利用しにくい側面もある。 日本人看護師がオーストラリア看護師登録を目指す場合、20代から30代であることが多い。海外へ挑戦したいと考えていた人が本格的に挑戦できるようになる年代である一方、家族が増えるなど人生の転換期でもあり、個人の渡航目的とビザの制約とを比較し選択することが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、新型コロナ感染症の影響により現地入りすることができず、当初予定していた調査を実施することができなかった。このため、現地調査の基盤となる、研究対象者募集、ウェブ調査広報、セミナー告知および研究成果発信のためのウェブページ作成に向けた準備を進めた。また、昨年度に引き続き、日本人看護師の国際移動に関連する専門職者による検討会として、オーストラリア在住の日本人看護師、在豪邦人対象のNGO関係者、オーストラリア留学斡旋業者らとオンライン検討会を実施した。検討会では、インタビュー調査、ウェブ調査の質問項目作成のためのディスカッション、国際セミナーの時期および具体的内容等について検討を行った。2022年度は国際セミナー実施に向け、さらに準備を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は現地調査を実施することができず、予定通りに計画を進めることができなかった。しかしながら研究チームでの討議および専門職者による検討会を開催し、今後の調査および国際セミナーの具体的内容について検討することができた。インタビュー調査はオンラインでの実施に切り替え、ウェブ調査は国際セミナー開催に伴って作成するウェブページをFacebook、Twitter、InstagramなどのSNSと連携させながら実施することを検討している。2022年度は、看護師確保の世界的な流れと、オーストラリアが新しく導入した看護師登録システムをふまえながら、日本人看護師が日本に戻り働きたいと考える職務について調査、分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により渡航が不可能となり、現地調査を実施することができなかった。これにより助成金を2022年度に繰り越す必要が生じた。2022年度は現地調査について可能な限りの調整を行うが、ウェブページを充実させることでオンライン調査、ウェブ調査をスムーズに実施することも検討する。渡航に伴う影響を最小限にすることができる時期を早急に検討し、専門職者の招へいとともに国際セミナー開催を実現する予定である。
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Research Products
(1 results)