2021 Fiscal Year Research-status Report
施設の特徴に応じた訪問看護師のための採用時社会化支援プログラムの構築
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20K10627
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐藤 真由美 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (80336429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北嶋 結 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (40552683)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会化 / 新任訪問看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、訪問看護ステーションの特徴に応じた採用時社会化支援プログラムの構築を行うことである。これまでの研究成果から、訪問看護ステーションには得意分野があり、また病院の地域連携室の看護師は訪問看護師と実際の場面を共有することで看護の臨床判断を伝えていることがわかった。 本研究は3つの課題からなっている。①研究課題1:地域の訪問看護ステーションに関する実態調査。新任訪問看護師への研修の実態と同行訪問によって実施される訪問看護の特徴を明らかにすることを目的とする。②研究課題2:施設の特徴に応じた訪問看護師のための採用時社会化支援プログラムの作成。対象は5施設程度で、新任訪問看護師を採用または採用予定の施設の管理者である。③研究課題3.訪問看護師のための採用時社会化支援プログラムの評価である。 2年目の本年度は、前年度に行った研究課題1:地域の訪問看護ステーションに関する実態調査の予備調査について分析を行った。同行訪問での教育内容として、在宅での医療処置、看取りや緊急時対応に関するもの、家族への対応、医師やケアマネなどへの報告の仕方などがあげられた。利用者の年代は65歳以上が最も多かったが、5歳以下の小児から75歳以上まですべての年代の利用者を対象としており、平均10年程度の医療機関での経験がある新任訪問看護師でも、在宅で行われている医療ケアの方法や留意点、単独で訪問する時の判断の視点については、同行訪問で学んでいた。対応できる医療処置により利用者の幅が広がっていることが示唆された。家族への対応、協働する多職種への対応については、指導者と一緒の同行訪問を通して学んでいた。訪問看護師として連携している場所は他の訪問看護ステーションも上位にあり、看護師同士のネットワークが背景にあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で訪問看護ステーションを対象とした研究をすすめることができなかったため、研究目的に沿って次の課題2:施設の特徴に応じた訪問看護師のための採用時社会化支援プログラムの作成に有用な検討に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
R4年度は質問項目を施設の特徴と合わせて整理して、東北地方の訪問看護ステーションを対象とした質問紙調査を行う。施設の管理者と新任訪問看護師を対象とする。質問内容は、①管理者に対しては、施設の特徴(利用者の特徴、強み、同行訪問での教育内容)②新任訪問看護師には、同行訪問で学んだ内容についてである。事前に管理者に説明をし、協力の得られた施設に調査用紙を配布する。 この結果を研究課題2.訪問看護師のための採用時社会化支援プログラム再構築版の作成と評価につなげるため、協力を得られた施設で再構築版案を実施後、妥当性について評価してもらう。
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Causes of Carryover |
当初予定の質問紙調査の結果から本調査を行う予定であったが、進捗が遅れているため、質問紙調査にかかる物品の購入や郵送費を使用しなかったため、次年度使用額が生じた。来年度に使用する予定である。
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