2021 Fiscal Year Research-status Report
在日外国人のための地域・臨床看護場面におけるやさしい日本語対話集の開発
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20K10637
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
竹村 和子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (30724736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 麻希 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (40424311)
西内 陽子 兵庫県立大学, 看護学部, 代替教員 (00803743) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在留外国人 / やさしい日本語 / 看護場面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、在日外国人のための地域・臨床看護場面におけるやさしい日本語対話集を開発し、検証することである。対話集に掲載する場面を選定するために、①看護職が外国人の対応で、困難を感じやすいよくある場面を明らかにすること、②外国人が支援職とコミュニケーションをとる中で、困難を感じる場面を明らかにすることを目的に、2つの調査を同時並行で行っている。外国人が多く利用するサービスとして、母子保健に焦点を当て、①の調査は、市町村保健師・助産師を対象に、②妊娠・出産・育児を経験した在留外国人を対象にインタビュー調査を実施中である。 2021年度は、4名の市町村保健師・助産師にインタビューを行うことができた。まだ調査・分析途中ではあるものの、複数の保健師・助産師が、乳幼児健診の発達確認場面が難しいと回答していた。発達に気がかりな場合、 親に子どもの発達状況やフォローに関して伝わりにくい状況があったが、看護職としてのアセスメントとともに、保育園や市役所の他部門、児童民生委員など関係職種とともに見守り、フォローしていた。家庭訪問・健診の日時は伝わりにくく、行き違いや健診未受診につながっていたが、再度文書やLINEなどのSNSを活用し、再訪問、健診受診勧奨を行っていた。母子健康手帳交付時・育児指導場面では、生活実態が聞き取れないことに困難感を抱き、日本とは異なる妊娠期の育て方や子育てに驚いていた。しかし、親・子どもの状況を見極め、見守っていた。すべての自治体で、翻訳デバイスを導入して、 以前よりコミュニケーションがとりやすくなったが、本当に伝わっているのかと不安に思う者もいた。ゼスチャーや絵を描くなど、すぐに実行できるものも活用していた。本結果は、2022年8月開催予定の日本地域看護学会にて発表予定である。 外国人対象のインタビューは、1名のみの実施であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、調査の進行は遅れている状況である。研究者自身の所属先による行動制限に加え、保健師が業務多忙によりインタビューが行えない。外国人住民自身も、自粛生活を守っていること、オンラインインタビューも代診したが、外国語や通訳を通すオンラインインタビューは難しく、延期している状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症に対する政府の対応が変わってき、今後はインタビュー調査を進めやすくなるものと考える。現在は、母子保健場面を中心に調査を行っているが、母子保健を中心に、看護場面を広げていく予定である。 昨年、インタビュー調査前に質問紙調査を行うよう研究計画を修正したが、実際の場面に即した質問紙調査を行うことが妥当と再検討した。ある程度のインタビュー調査が進んだ段階で、質問紙調査の準備を始める予定である。 予定していた外国人対象の健康相談会の開催も再開し、検討しているやさしい日本語を実際に使用しながら、やさしい日本語対話集を考案していく。
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Causes of Carryover |
質問紙調査の実施が実施できていないため。予定していたインタビュー調査のための旅費が発生しなかったため。
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