2021 Fiscal Year Research-status Report
環境整備で感染から患者を守る!シソエキス成分を用いた環境整備の感染予防効果
Project/Area Number |
20K10639
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
森本 美智子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60342002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福崎 智司 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00538712)
伊東 秀之 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70253002)
田辺 文憲 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80217108)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 環境整備 / 殺菌 / 清拭性能 / 感染予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.環境整備方法の実態調査:実際の臨床現場の環境整備における方法や問題点を明確化する目的で、アンケート調査を実施した。コロナ感染症の影響によりインタビュー調査は依頼時に感染予防の点から現場から外部者と接触ができなく、アンケート調査に変更することを余儀なくされた。質問紙調査を実施した4病院に勤務する看護師500名を調査対象とし、無記名自記式質問紙調査を実施した。結果は有効回答数375(回収率75%)病棟ナースステーションでの環境整備の担当は、日勤では看護師49.6%と夜勤では看護師が91.5%であった。環境整備の方法は、患者の共有スペースはほとんどが消毒用ワイプ(87.7%)を利用して環境整備をしていた。環境整備をする際の個人防護具使用に関しては、常時マスク着用が最も多く、特定のケアの時の環境整備にはガウンを着用していた(80.5%)。 2.青紫蘇および赤紫蘇に関してそれぞれ5種類の抽出サンプル(計10種類)を調製した。 3.青紫蘇および赤紫蘇の抗菌性の検証:青紫蘇および赤紫蘇から抽出されたエキスを用いて環境整備(清拭)に利用できるかどうかを検証した。細菌(黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌)およびウイルス(ファージ)に対する殺菌効果および抑制効果を実験により検討した。その結果、MSSA,E.coli, P.aeruginosa のいずれに対しても60%以上の減菌率がみられたのは、青紫蘇2と3および赤紫蘇3であった。 4.青紫蘇・赤紫蘇エキス吸水環境クロスの清拭性能と抗菌性の検証:効果的な紫蘇のエキス成分・殺菌効果から適切な不織布(環境クロス)を選択し、環境整備のふき取り・殺菌効果を実験で検証したころ、クロスを用いた場合、青紫蘇3、赤紫蘇3の生菌の減少率は低く、清拭性能および除去率は低かった。実際のワイプの使用において、抗菌性は不明確なことがあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の影響により、臨床現場おいては感染拡大防止のために、外部者の病院内の立ち入り禁止となり、インタビュー調査の中止を余儀なくされた。そのため、アンケート調査に計画を変更せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.抗菌性の確認:赤紫蘇と青紫蘇の抽出方法や抗菌性を再度確認し、シソの葉雑菌等の除去を検討し、ワイプへ清拭性能と抗菌性の実験を行う。2.臨床現場における環境整備の検証:コロナの影響を鑑み、臨床現場へ依頼し調査の承諾を得たうえで、可能であれば抗菌性の得られたシソエキス成分を用いての環境整備の抗菌性の検証を行う。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の影響で臨床への調査や実験が遅れたため、次年度は臨床現場での抗菌性や殺菌効果について調査を行う。
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