2023 Fiscal Year Research-status Report
環境整備で感染から患者を守る!シソエキス成分を用いた環境整備の感染予防効果
Project/Area Number |
20K10639
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
森本 美智子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60342002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福崎 智司 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00538712)
伊東 秀之 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70253002)
田辺 文憲 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80217108)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 環境整備 / 清拭性能 / 感染予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】天然の植物で殺菌性をもつといわれているシソに着目し、赤シソと青シソのエキス成分の殺菌効果を検討した。今後のシソを利用した環境整備につなげることを目的とした。臨床現場を想定しシソ液を不織物の環境整備(ふき取り)の効果を探究する。 【研究実施】新鮮な青紫蘇および赤紫蘇を用い、70%含水アセトンでホモジナイズ後、ろ過を行い、不溶物を除去した。抽出物は、元のエキス、ジエチルエーテル画分、酢酸エチル画分、水飽和1-ブタノール画分、水画分の6種であった。抗菌・抗ウイルス効果の実験:黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌の院内感染原因菌の標準株の菌液およびファージに、各種シソ抽出画分(1mg/mL)を室温で10分間作用させ、シソ抽出物の抗菌・抗ウイルス効果を調べた。黄色ブドウ球菌:コントロールは95.0±8.2、青シソジエチルエーテル画分は1.0±1.7(p<0.01)、赤シソ酢酸エチル画分は26.7±2.3(p<0.05)であった。大腸菌:コントロールは90.7±29.9、青シソジエチルエーテル画分は0.3±0.6(p< 0.001)、赤シソ酢酸エチルは54.0±12.5 ( p< 0.05)であった。緑膿菌:コントロールは91.3±22.9、青シソジエチルエーテル画分は0.3±0.6(p< 0.001)、赤シソ酢酸エチルは11.3±10.6 (p <0.05)であった。ファージ:コントロールは96.3±18.0、青シソジエチルエーテル画分は57.7±8.1(p< 0.05)、赤シソ酢酸エチル画分は40.3±21.9 (p <0.01)であった。赤シソ、青シソの抽出物は院内感染の原因となる細菌に対し抗菌作用を持ち、また、ウイルスに対しても抑制作用を持つことが示された。 今後、環境整備に関して、可能な限りデータを採取できるように、2~3病院へ再度依頼を行い、データ採取を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
シソの採取による、静菌が不明確な部分の実験計画の見直し実験を再度行う予定であったがCOVID-19 の影響により、予定していた臨床現場へは、外部者の立ち入りが禁止となりデータ採取ができなかった。そのため、倫理委員会へ再調整を余儀なくされ、再度倫理審査の申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
環境整備に関して、可能な限りデータを採取できるように、2~3病院へ再度依頼を行い、データ採取を行う。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の影響により、臨床現場おいては感染拡大防止のために、外部者の病院内の立ち入りが禁止となり、臨床現場での調査の中止を余儀なくされた。使用計画としては、臨床現場でのデータ収集、環境整備を行うことを計画している。
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