2020 Fiscal Year Research-status Report
定年退職に伴うトランジションの様相と「リ・キャリアデザイン」準備ステップの開発
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20K10640
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
井上 真奈美 (河口真奈美) 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (20285357)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | キャリア / 退職者 / ワーク・ライフ・バランス / トランジッション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護職の定年退職前後のキャリアトランジッションの様相を明らかにし、今後看護職が定年退職を迎える際に、過去の職業人生を価値あるものとしてとらえ、新たな人生設計を可能とするためのプログラムを開発することにある。 本年度は、計画どおりシステマティックレビュー及び文献の追加を中心に研究に着手している。過去の研究論文へのアクセスを中心に、文献収集と文献精読を行いながら、退職前後の心理・キャリアの状況・社会的位置づけなどについて文献上の状況について精査を始めている。退職前に、職業人生を価値あるものとして認識するリフレクションのあり方やそれを支える資源等を明らかにする必要があることが示唆されている。また、退職前から再度キャリアデザインを描きなおすことを可能にするために必要な要素についても明らかにする。 現在は、次年度に向けて文献の要約及び研究動向から退職者へのインタビュー内容の検討を行っている。半構成的インタビュー計画であり、インタビュー内容については、対象者の多様性を理解した上でのキャリアデザイン要素を抽出する必要があるため、追加文献を用い、キャリアそのものに関する問いに限らず、看護職者がどのような価値観や看護観をもって職務を遂行していたのかを言語化してもらうために詳細なインタビュー内容の検討を行っている。また対象を理解するために、インタビューアーとして各専門領域のトピック的な内容についても広く理解を深め対象の思いを引き出せるよう準備を進めている。 また、コロナ禍において、対象者との直接の接触等が困難な状況が生じており、これに対応するための方法論の検討など、研究環境を整え対象の安心と安全とはかりながら研究を遂行するよう準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍による対面による調査が困難であり、方法論などでの対応が必要となり追加での準備を行っているが、並行して対象者の交渉説明などを行っており、全体としては、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
文献調査におけるまとめ、インタビューの準備・実施に向けて本年度は取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
情報収集のための交通費の執行が成されていないことによる執行額の残金が生じている。 今後、コロナ禍でのインタビューを行っていくために必要不可欠となる交通費、また予定していなかったコロナ対策用の衛星物品や面接時の衝立、交通費に代わる通信衛星料金などとして活用予定である。
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