2020 Fiscal Year Research-status Report
若手看護師のためのインシデントのリスク要因自己診断ツールの開発
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20K10655
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 美香 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (10644560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 浩子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40234950)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護師 / 医療安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、看護師の医療安全に関する国内外の文献検討を行い、本研究の課題について検討した。また、若手看護師のインシデント発生時の状況を把握するために、予備調査のデータ分析を行った。予備調査では、急性期病院の看護師1489名を対象に、無記名自記式質問紙調査を行った。調査内容は、1)看護師経験年数、2)過去6か月のインシデントの頻度、3)インシデント発生時の心理的状況、業務遂行状況、職務環境の状況に関する自作の質問紙(43項目)について回答を得た。分析は、対象者を看護師経験年数によって3群(若手看護師:1~3年目、中堅看護師:4~10年目、ベテラン看護師:11年目以上)に分けて、3)のそれそれの質問項目得点をKruskal-Wallis検定および多重比較はDunnの検定を用いて比較した。質問紙は773名から回収され、このうちインシデントを経験していた437名を分析対象とした。若手看護師は心理的状況のうち、緊張していた、気持ちが落ち着かなかった、集中できなかったなどの不安・緊張に関する項目得点や、思っていることを口にだせなかったなどの内向的な言動に関する項目得点が、ベテラン看護師に比べて有意に高かった。業務遂行状況では、慣れない業務を一人で行った、優先順位を判断して対応した(逆転項目)などの項目では、若手看護師がベテラン看護師に比べて有意に高かった。また、職務環境の状況では、ケアが遅れた、時間的なプレッシャーを感じていたなどの多忙さに関する項目得点は、若手看護師がベテラン看護師に比べて有意に高かった。 以上より、若手看護師のインシデント発生時の状況には特徴があることが明らかになった。これらの若手看護師のインシデント発生時の特徴は、ツール(案)を作成するうえで、参考となると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査協力施設との調整が困難であり、調査の実施に至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度中に調査を行い、ツール(案)を検討する予定である。そのため、調査協力施設の選定および調整、質問紙調査票の作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は質問紙調査を行う予定であったが、実施できなかったため、未使用額が生じた。 2021年度は質問紙調査の実施を予定している。未使用額は、質問紙調査票の印刷・封筒・用紙の費用、回収の通信費、データ入力を依頼する研究補助者への謝金、消耗品の費用に充てる。
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